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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成28年12月12日 消費者問題に関する特別委員会

消費者裁判手続特例法の施行に伴う特定適格消費者団体の支援のあり方について




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○青木愛

 希望の会、自由党の青木愛です。
 私からは、消費者裁判手続特例法の施行に伴う特定適格消費者団体の支援の在り方についてお伺いをいたします。
 消費者被害の多くにおきまして、消費者と事業者の間の情報の質、量の違い、また交渉力の格差、訴訟費用やその労力を勘案したときに、消費者が自ら訴えを提起して被害回復を図るということを諦めてしまうということであります。このような問題に対応するために、平成二十五年、消費者裁判手続特例法が制定されました。国から認定を受けた特定適格消費者団体が、製品の欠陥や悪質商法などで被害を受けた消費者に代わって金銭被害の回復を求めて訴訟を起こすことができるという裁判手続制度が創設をされました。
 そして、この制度は、本年、いよいよ十月一日からスタートいたしました。消費者団体や被害者にとって、長年の悲願であったこの画期的な制度が施行されましたことは、同法の起案、成立に関わった全ての方にとりまして感慨深いものであったと思いますし、当時、衆議院におきまして審議に関わった一人として、私も大変喜ばしく思っているところでございます。
 他方、本制度をより意義あるものにするために、制度開始後も問題点、改善するべき点を常に検証していくことが必要だと考えております。先日の松本大臣の所信表明におかれましても、この制度が適切かつ効果的に運用され、我が国社会になじんでいくように所要の取組を行ってまいりますと述べておられました。この取組について、以下御質問をいたします。
 まず、現時点で、この特定適格消費者団体認定申請の現状について、まず把握されているものについて御説明をお願いしたいと思います。



○川口康裕消費者庁次官

 お答えいたします。
 特定適格消費者団体でございますが、これは、適格消費者団体の中から新しい認定要件を満たしたもの、これを申請に基づきまして確認をし認定をするというものでございます。適格消費者団体は全国に十四団体現在ございますが、そのうち申請されているものは一件、特定非営利活動法人消費者機構日本から十月三日付けで特定適格消費者団体の認定の申請があり、現在審査を進めているところでございます。


○青木愛

 ありがとうございます。
 特定適格消費者団体として申請しているのが一団体のみという御答弁でございます。これでは、せっかく制度をつくりましても十分にその効果を発揮できないという現状だろうというふうに認識をいたします。
 この特定適格消費者団体の認定要件ですが、事業者の不法行為に対する差止め請求関係業務、これを二年以上継続して適正に行った実績があることとされております。この差止め請求ができる、言わば特定適格消費者団体の前身とも言えますけれども、今御答弁にもございました適格消費者団体については、各地域ごとに最低一団体は設置をするという考え方が消費者庁が掲げています地方消費者行政強化作戦の中で示されているというふうに思います。しかしながら、この適格消費者団体でさえ、差止め請求制度が始まって既に十年を経過しておりますけれども、今御答弁にございましたが、全国に十四団体しか存在しないということでございます。東北、そして北陸、四国地域には、この適格消費者団体すらないという現状でございます。
 特定適格消費者団体の数が少ないということは、当然訴訟の数も限られますし、また、地域ごとにばらつきがあるとなれば、全国の消費者がひとしくこの制度を利用できないということになります。これでは、消費者庁が掲げている地方消費者行政強化作戦の全国どこにいても誰もがこの救済を受けられるという趣旨には及ばないという現状だというふうに思います。
 このような状況に対しまして、松本大臣、どのように評価をされているか、御答弁をお願いいたします。



○松本純消費者及び食品安全担当大臣

 適格消費者団体及び特定適格消費者団体の設立を促進していくことはもちろん重要でございますが、他方で、制度の信頼性を維持しつつ安定的に運用する観点からは、法律で定められた要件にのっとって適切に認定をする必要がございます。
 現状、適格消費者団体は全国で十四団体存在しており、北海道、首都圏、中部、関西、中国、九州などのブロックに存在するに至っておりますが、東北、北陸、四国の三つのブロックにはまだ存在しておりません。そこで、まずはこれらの空白地域を解消することが重要と認識をしておりまして、消費者庁では、地方消費者行政強化作戦の中で、これらの空白地域の解消を政策目標としております。
 今後は、この政策目標を達成すべく、地方公共団体とも連携をしながら、必要な支援を行ってまいりたいと存じます。


○青木愛

 適格消費者団体にいたしましても特定適格消費者団体にいたしましても、申請をいただくことが最優先課題だと考えます。今後の設立、運営に対する具体的な支援策についてお伺いをしたいと思います。
 消費者庁は、消費者団体訴訟制度の実効的な運用に資する支援の在り方に関する検討会、この報告書を踏まえて、主に情報面と財政面について順次具体的な支援策を実施するとされています。そこで、今後、具体的にこの情報面、財政面、これは要の支援だと思いますけれども、どのような取組を行っていかれるのかお伺いしたいと思いますが、まず情報面での支援についてお伺いをいたします。
 特定適格消費者団体が悪質な消費者被害の状況を迅速かつ的確に把握すること、これが何よりも重要だと考えます。その際、PIO―NETからの情報は大変重要な端緒情報であり、言わば命綱でございます。しかしながら、このPIO―NETからの情報提供の範囲が、事業者名と相談概要等、極めて限定的であって、どこまでこれで有効な支援策となるのか大変懸念をするという声が消費者庁の検討会でも示されております。
 金銭被害の回復を図る業務を遂行するためには、提供される情報がこの事業者名、相談概要だけでは足りません。事業者の対応状況である処理結果まで正確に把握する必要があろうかと思います。更に言えば、被害状況等を迅速に把握するために、団体等から要望がございますが、PIO―NET端末の配備、団体にこそこの配備が必要と考えますけれども、これらについて松本大臣の御所見をお願い申し上げます。



○松本純消費者及び食品安全担当大臣

 御指摘のように、適格消費者団体から、処理結果を開示することやPIO―NET端末を配備することを要望されていることは承知をしております。
 もっとも、PIO―NETに蓄積された情報は地方公共団体の消費者生活相談窓口に寄せられた消費者生活相談に基づくものであり、地方公共団体の協力の下で入力されていることから、地方公共団体の理解を得つつ利用する必要がございます。しかしながら、PIO―NETの処理結果の活用に当たっては、処理結果は相談概要とは異なり交渉の経緯や結果などの機微情報を含んでいること、PIO―NET端末の適格消費者団体等への配備に当たっては、ユーザーの厳格な本人認証など情報セキュリティーの強化などが必要となることといった点に留意する必要があり、いずれにおいても地方公共団体の理解を十分には得られていないというところでございます。
 このため、処理結果に含まれる情報のうち、どこまで適格消費者団体等に開示するかを検討するとともに、PIO―NET端末の配備についても、セキュリティーを確保するなどの環境整備を図りつつ、地方公共団体の理解を得てまいりたいと存じます。


○青木愛

 ありがとうございます。
 この制度をしっかりと機能させるためには、処理結果の情報というのは極めて重要だと思っておりまして、この提供につきましては、今大臣から御答弁ありましたけれども、地方公共団体からの情報漏えい等の懸念が示されているということだろうと思いますけれども、それならば、特定適格消費者団体に対する一方からの行政の厳しい監督もありつつ、また、個人情報の取扱いに関するガイドライン、こうしたものの作成等によって地方公共団体の懸念を払拭するなど、そうした地方公共団体の理解が得られるように、消費者庁におかれましても積極的な働きかけをお願いしたいというふうに思っております。よろしくお願い申し上げます。
 次に、財政面につきまして、具体的な支援策をお伺いをしたいと思います。
 消費者庁の検討会におきまして、既に運用されている地方消費者行政推進交付金、こちらの活用が示されておりますけれども、この交付金の活用の在り方につきまして、地方公共団体に対して具体的にどのように取組の助言をされているのか、お伺いをしたいと思います。



○務台俊介大臣政務官

 地方公共団体に対する支援につきましては、地方消費者行政推進交付金を通じて、消費者団体訴訟制度の実効的な運用に資する取組を含め、消費者の安全、安心の確保に向けた取組を支援しているところでございます。
 この交付金による支援の一環として、国から提案する政策テーマを踏まえ、地方公共団体独自の企画により先駆的な事業を実施する、国と地方のコラボレーションによる先駆的プログラムというものがございます。この先駆的プログラムの政策テーマの一つとして、消費者被害回復制度の運用に向けた活動の支援を掲げ、消費者団体訴訟制度の担い手となる特定適格消費者団体、適格消費者団体の設立や制度の周知に向けた取組を重点的に支援しているところでございます。
 本交付金の先駆的プログラムを活用し、適格消費者団体が設立されるなどの効果が上がっている事例がございます。こうした成果を広く波及、展開する必要があるため、地方公共団体に対しては、取組事例を周知するなど、本交付金の活用を引き続き働きかけてまいりたいと考えております。


○青木愛

 ありがとうございます。
 交付金としてただ丸投げをして支援するだけではなくて、この交付金がどのように使われているのか検証が必要でございますし、今御答弁にもございました優良事例などを広く周知をしていただいて、有効に活用されることが重要だというふうに思っております。
 この制度の実効性という観点から、財政支援の在り方について、松本大臣としての御所見も是非お伺いをしたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。


○松本純消費者及び食品安全担当大臣

 消費者団体訴訟制度を機能させるためには担い手を育成する必要がありまして、適格消費者団体及び特定適格消費者団体を育成することが重要であると認識をしております。
 この観点からこれまでにも様々な支援を行ってきたところでございますが、今後、先駆的プログラムを活用してもらう観点から、その取組事例を周知をする、適格消費者団体に対する寄附が増進するよう、より一層消費者団体訴訟制度を周知するとともに、寄附者が税制優遇を受けられる認定NPO法人制度の活用を促すなどの取組を行ってまいりたいと存じます。


○青木愛

 是非、大臣におかれましては、不断の御努力をお願い申し上げたいと思います。
 次に、本制度を利用して勝訴したといたしましても、相手方の事業者に資産が残っていなければ被害救済は絵に描いた餅になります。
 そこで、本制度におきまして、特定適格消費者団体が消費者からの授権を受けていなくても事業者の財産への仮差押命令の申立てができることとなっています。この仮差押えの際に必要となります担保金に関しまして、消費者庁は、平成二十九年度の予算概算要求におきまして、特定適格消費者団体による被害回復の促進として、裁判手続において必要となる仮差押えの担保金について、独立行政法人国民生活センターが提供することで安定的な手続の実施を図るということとしています。
 これに関しまして、国民生活センターがその業務として当該担保金の提供を行うことが適正であるかどうかの検討も踏まえまして、この法的根拠及び今後の具体的な制度設計について、現在の検討状況、また法改正等必要になるのかどうか、今後の見通しをお伺いしたいと存じます。



○松本洋平副大臣

 消費者裁判手続特例法でありますけれども、被害回復の実効性を確保することを目的としておりまして、とりわけ財産の散逸、隠匿を図る悪質な事業者からも被害を回復するためには、特定適格消費者団体が実効的に仮差押えを行うことができるようにする必要があるというふうに認識をしているところであります。
 消費者庁におきまして開催をいたしました消費者団体訴訟制度の実効的な運用に資する支援の在り方に関する検討会における報告書が本年六月三十日に取りまとめられておりますけれども、委員御指摘の国民生活センターが特定適格消費者団体に代わって担保を立てることができるようにする措置を講ずることが必要かつ適切であるということが例示をされているところであります。
 この報告書の提言なども踏まえまして、現在、関係法令の改正も含めて検討中であります。政府内においてしっかりと調整をいたしまして、その検討を加速化してまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。


○青木愛

 ありがとうございます。
 今触れられておられましたが、被害回復の実効性を高めるために、仮差押えでも対応困難な悪質事業者によります財産の隠匿や散逸に対しましてもまた早期に対応をする必要があろうかというふうに思っております。
 これまで消費者庁は、平成二十六年には景品表示法改正によって課徴金制度を導入しました。本年の第百九十回常会におきましては、特定商取引法によりまして、実質的には行政が直接消費者被害を救済できる、違反事業者に対する債務履行を指示する措置を導入いたしました。着実に法整備を進められてきていると思います。
 他方、残る課題といたしまして、今申し上げました、消費者基本計画にもありますが、加害者による財産の隠匿又は散逸、この防止策についても法整備等を進められるべきと考えております。消費者庁にとりましては、この残されたもう一つの課題についてどうお考えになっているか、今後のお取組についてお伺いをいたします。



○松本洋平副大臣

 先ほども申し上げさせていただきましたが、まずは、特定適格消費者団体が行う仮差押えの制度につきまして、実効性を高めるための検討というものを進めてまいりたいと考えております。
 その上で、更なる法整備等につきましては、仮差押制度を含めた消費者裁判手続特例法の今後の運用状況、これらを踏まえまして、必要に応じて幅の広い検討を行ってまいりたいと存じます。


○青木愛

 平成二十八年度版消費者白書によりますと、平成二十七年における消費者被害、トラブルの既支払額に係る推計額、被害額ですが、約六・一兆円とされています。これはGDPの一%を超える額です。さらに、消費者被害、トラブルの経験のある者のうち四割強が誰にも相談していない、いわゆる泣き寝入りをする消費者が多いという現状を放置をすることは、事業者に不当収益が残り、更に悪質事業者の存続と被害の拡大につながるというふうに思います。
 そこで、大臣に御所見を伺いますけれども、今お伺いしました仮差押命令プラス財産の隠匿・散逸防止策の導入など、今後更に積極的な取組が必要だというふうに思っておりますけれども、最後に松本大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。



○松本純消費者及び食品安全担当大臣

 悪質な事業者から消費者が被害を回復することは、従前から指摘されてきた重要な課題であります。現在ある制度を最大限に活用することを基本としつつ、不足があれば更なる方策を検討することが必要であると認識しております。
 御指摘の財産の隠匿・散逸防止策については、本年十月一日に施行された消費者裁判手続特例法の仮差押えの制度が十分に機能し、消費者被害の回復が実効的なものとなるよう、適正な運用に努めてまいりたいと存じます。


○青木愛

 是非よろしくお願い申し上げます。
 消費者庁におきましては、国民の生活が第一ということで、今後とも、消費者また生活者の立場で、現政権下におきましても前進をしている消費者庁の更なる取組に御期待申し上げまして、質問を終わります。
 ありがとうございました。







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