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  | HOME | >活動記録>>発言録2013年5月30日 衆議院科学技術特別委員会




【質問項目】

イノベーション総合戦略で先端分野の研究者の海外流出に歯止めを

日本の研究環境の改善について

リニアコライダーを三本目の矢の目玉に
国際リニアコライダーの誘致について

地域発のすぐれた技術をしっかり生かせる体制づくりを
全国の有力地場技術の有効活用について


安倍総理による原発の海外向けトップセールスに反対
原子力政策について



日本の研究環境の改善について 【戻る】

○青木愛

 生活の党の青木です。よろしくお願いいたします。
 アベノミクス、三本目の矢がいかに放たれるか、国内外から注目をされるところであります。これから公表となります科学技術イノベーション総合戦略の中身に大変期待が高まるわけでありますが、先日、原案が提示されまして、拝見をいたしましたけれども、さまざまなことが網羅的に書かれておりますので、どこに主眼が置かれているのかというのが、ちょっとわかりにくいというか、把握し切れない部分もあるんですけれども。
 まず、この科学技術イノベーション総合戦略の中に、ゴールデンウイーク中、山本大臣、訪米されておりますけれども、その成果がどのような形で生かされているのか、お伺いをしたいと思います。


○山本国務大臣

 イノベーション総合戦略の中身のことについて丁寧に説明していると時間が超過してしまいますので、簡単に申し上げますが、日本の研究開発のレベルは非常に高い、科学技術のレベルも高い、しかし、今までそれが本当に国民生活、国民が、この高い研究成果、研究レベルを享受できていたのかというところに問題意識がありまして、これをやはり、出口というとちょっと余りにもシンプルですが、産業競争力の強化、日本経済の復活に結びつけていこう、そこにフォーカスが置かれているということだ、簡単に言うとそういうことだと思います。
 米国出張の件ですが、今回の米国出張の主目的は、日米科学技術合同高級委員会に出席するためでした。米国側はホルドレン大統領補佐官、私は、下村文科大臣とともに共同議長を務めました。ハイレベルな政策対話を行ったんですが、米国においても、強い経済のためには科学技術・イノベーションが大事だと思っているということを再確認したところです。
 また、今回の出張では、アメリカの科学技術政策へ影響力を持つ産業界とかアカデミアの方々と、イノベーションの創出について意見交換もいたしましたし、イノベーション創出のために官民と政府が問題意識を共有することの重要性、ハイリスク、ハイインパクトの研究の推進も重要であるということを確認いたしました。さらに、米国で活躍する日本人研究者と意見交換、ラボの視察も行いまして、魅力ある研究環境の重要性というものも確認をさせていただきました。
 こうしたことは、今委員から言及がありました、去る五月十七日の総合科学技術会議の本会議に原案が提出された科学技術イノベーション総合戦略の第三章「科学技術イノベーションに適した環境創出」等の中でしっかりと反映をされているというふうに考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。
 日本版のNIH、米国の国立衛生研究所を手本として、医療分野の司令塔を創設したいとの目的もあるやに伺うんですけれども、いろいろと御視察をされて、山本大臣のブログを拝見いたしまして、アメリカの参考になる部分と、なかなかまねできない部分があるなと感じた、そして、アメリカの研究開発を支える多層的な仕組みを痛感し、アメリカの底力を感じたと、いろいろ視察の思いがまだ熱い中でブログに書かれておりましたけれども、具体的に教えていただくことはできますでしょうか。


○山本国務大臣

 帰りの飛行機の中で書いた私のブログを読んでいただいて、本当にありがとうございました。
 まず一つ、参考になる部分もあるし、なかなかまねできない部分もあるというふうに書いた覚えがあるんですが、このまねできないというのは、ポジティブな意味で書きました。つまり、アメリカと日本はなかなか国柄も違う、文化も違う、政府のたてつけも違う。ですから、アメリカ型はなかなか全てそのまま日本では採用できないので、やはり日本独自のやり方というのもあるのではないかという形で書きましたので、まねできないというのは否定的な意味ではないということをまず申し上げておきたいと思います。
 出張中、世界トップレベルの研究拠点プログラム、WPIといいますが、先ほどもちょっと答弁の中で御紹介しましたけれども、あるいは沖縄科学技術大学院大学、OISTの制度設計の参考とした機関が実はあるんです。ハワード・ヒューズ医学研究所のジャネリアファーム・リサーチキャンパスというところなんですけれども、この医学研究所のキャンパスを訪れまして、世界トップレベルの先端的融合研究の現場を実際に見て、充実した研究支援体制、研究資金の潤沢さ、五年間は何の制約もなく研究に没頭できるシステム、こういうものを目の当たりにいたしました。
 さらには、米国科学振興協会、AAASと言っておりますけれども、ここが一九七三年から実施している科学技術フェローシップ制度というのがありまして、これは、科学者とか技術者を原則一年間、議会とか上下両院の委員会、議員事務所または官庁等の行政機関に派遣するという制度なんですが、これについて、総合科学技術会議の事務局機能を検討するに当たって参考にできるのではないかというふうに感じました。
 一方、ジョン・ホルドレン大統領補佐官と科学技術イノベーション政策全般について意見交換を行いましたが、その際、先ほど申し上げたように、米国と我が国の行政体制の違いについてもいろいろとお伺いすることができました。この米国と我が国の違いに留意しつつ、安倍総理からも御指示をいただいている総合科学技術会議の司令塔機能強化について検討していく必要があるというふうに考えております。



○青木愛

 ありがとうございます。まねできないというのは、決して後ろ向きな形ではないということであります。
 NIHにも三百名ほどの日本人の優秀な研究者がいらっしゃるわけでありますが、日本側からいえば、こうした日本の優秀な研究者がなぜ渡米してしまうのか。もっと日本で研究を続けたいと思えるような日本における環境整備が必要ではないか、私もそう思うんです。
 今もお話をいただいておりますけれども、アメリカと比較をするばかりではありませんが、先ほども議論に出ておりましたけれども、これから人材獲得が本当に重要な視点になってくると思いますけれども、今の日本の研究環境に足りない点、必要な点、どのようにお考えでしょうか。


○山本国務大臣

 今、青木委員の方からあった、本当に優秀な研究者が日本で研究を続けたいと思うような研究環境をつくることが大事だというのは、全くそのとおりだというふうに考えております。
 アメリカへ出張した際に、ブログを読んでいただいたと思いますが、NIH、ナショナル・インスティテュート・オブ・ヘルスですけれども、この米国国立衛生研究所に在籍している日本人研究者、小林久隆先生とか向山洋介先生の研究室を視察し、さらに日本人研究者十五名と懇談する機会を持ちました。
 研究環境についてはいろいろな意見が出まして、実は日本の研究環境は悪くないという方もおられたんですけれども、NIHではやはり日本と比べて自由にみずからの研究アイデアに基づいて研究ができるという意見は多かったです。それから、異分野融合のしやすさ、充実した研究支援体制によって研究に集中できる環境である、こういうようなお話もありました。
 ただ、一つ私が大変心強く感じたのは、ベテランの方、中堅の方、若手の方、それぞれのグループから何人か代表者の方に出てきていただいたんですけれども、全員が、将来やはり日本に対して何らかの貢献がしたい、こういうふうにおっしゃっていたのが大変印象的でした。
まさに青木委員のおっしゃったように、彼らのような有能な人材が我が国で活躍できるようにすることが重要だというふうに考えております。
その認識のもとで、総合科学技術会議で検討中の、先ほどから何度も出てきております、五月十七日の本会議に原案が提出された科学技術イノベーション総合戦略において、海外で活躍する日本人を含む世界トップレベルの研究者を呼び込む魅力あふれる研究環境を整備することが必要であって、これに取り組むということをこの総合戦略でも打ち出しております。
 具体的には、先ほども御紹介申し上げましたが、国際化に向けた取り組みを先導している世界トップレベルの研究拠点プログラム、WPI、これがすぐれた成果を上げておりますし、国際的な評価を受けておりますので、こういうことを踏まえて、若手研究者とか外国人研究者の活躍を促進するための環境の整備、大学等の国際的なイノベーションハブとしての機能強化を担当大臣として精力的に進めてまいりたいと思います。



○青木愛

 本当に若者の研究者をぜひ日本で、先ほど、五年間没頭できる環境がアメリカにはあると言いましたけれども、そういう自由な環境の中で研究をしていただく環境整備が必要かなというふうに思います。
 昨日も、リニアコライダーの議連の会議の方に出席を最近させていただいているんですけれども、そこの発表をしてくださった研究者の方が、やはりアメリカは若者の研究者を大変守り立ててくれる、研究発表後にみんな集まってきて、よかったよかったと肩をたたいてくれるんだというふうにおっしゃっていました。そして、研究がうまくいくと二階級特進もできる、頑張っている人が頑張りがいがある、そういう空気があるということでありました。逆に言えば、日本にはそういう部分が足りないのかなというふうに感じました。
 先ほど住宅のお話もありましたが、外国人の研究者が日本に来て研究をする際に、やはり家を借りようと思っても断られるケースがあるんだそうです。これはアメリカでは憲法違反なんだそうですけれども、そういったことだったり、例えば銀行で口座を開いたりだとか、さまざまな生活の立ち上げに大変支障があるということで、先ほど山本大臣もおっしゃっておりましたけれども、そういう制度を、法改正が必要なのか、改めていくことも必要なのかなというふうに思います。その点について、何か御答弁があれば。


○山本国務大臣

 青木委員が出席をされた、昨日でしょうか、ILC議連の発言は、取り寄せさせていただいて、実は読ませていただきましたが、村山教授とのやりとりの中で、アメリカは、本当に若い人たちにもチャンスを与えてくれるとか、あるいは、業績が適切に評価されるために、すぐれた業績を上げれば二倍、三倍の給与を受けることもあるとか、あるいは、今おっしゃった、生活の面でのいろいろな問題、これは大変参考になりました。とても説得力のあるお話だなと思いました。
 これは私だけでできることではありませんが、さっき社会統合政策が大事だという御指摘も委員の方からありましたので、やはり、いろいろな関係省庁とも協力をしながら、本当に、特に若い研究者の方々、理化学研究所の野依理事長が、レーバーからリーダーへ、つまり若い方々がレーバーじゃなくてリーダーになっていく環境をつくらなければいけないということをおっしゃっていましたけれども、関係省庁とも協力をしながら、そういう環境がつくれるように、担当大臣として一生懸命努力をしてまいりたいと思います。



国際リニアコライダーの誘致について 【戻る】

○青木愛

 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。
そして、それとあわせて、日本の研究者をとどまらせるのみならず、世界の最先端の研究者に結集いただく大変意義ある国策として、今申し上げました議連にも参加をさせていただいておりますが、ILCの、国際リニアコライダーの実験施設の日本への誘致について、山本大臣はどんなふうにお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。


○山本国務大臣

 このリニアコライダーのお話は、たしか前回の委員会で民主党の津村委員からも御質問を受けた覚えがあるんですが、国際リニアコライダー計画、宇宙創成の謎の解明を目指した大規模な学術研究の計画だというふうに存じております。現在、研究者レベルで国際的な設計活動や検討が行われている段階にあるというふうに理解をしております。戦略的かつ重点的な科学技術・イノベーション政策の推進を担う科学技術担当大臣としては、この計画が、学術研究、基礎研究を目的としているということ、さらには巨額の経費を必要とするということに留意して考えていく必要があるというふうに思っております。すなわち、多様な基礎研究の推進を一層強化するとともに、将来の経済社会の課題解決、これは実用化と言ってもいいかもしれませんが、これを見据えたイノベーション志向の科学技術政策が求められている、これが安倍内閣の大きな基本方針でもあるんですが、こういう中で、長期かつ高額な計画であり、社会や国民の理解がまず得られるかどうか、他国で実施されているものを含め、現在実施中の類似、関連する研究プロジェクトとの関係が整理されるかどうか、こういった課題があるということも事実だと思っていまして、まずは学術研究プロジェクトの優先順位づけの中で検討がなされる必要があるのではないかと私は考えております。
 いずれにせよ、現時点では、研究者レベルでの検討が進められている状況にあるということで、科学技術担当大臣としてはその状況を見定めてまいりたいと考えております。



○青木愛

 本会議でも安倍総理に質問をさせていただいたときに、やはり財源のことをおっしゃっていて、ちょっと前向きではない印象を受けたんですけれども、現在も、山本大臣からも、まだ同じようなところにあるのかなというような感覚を得ました。
 これは、ビッグバン直後の宇宙誕生の瞬間を解明する本当に夢の大プロジェクトなんですけれども、そこから生まれるいろいろな技術が、ITだったり、バイオテクノロジーだったり、ナノテクノロジー、また医療、環境、いろいろな先端研究分野に応用が可能だと考えられております。
そして、これは、一度誘致されれば、一過性のものではありませんから、日本に加速器があることによって、いろいろな、研究者のみならず、企業の誘致も呼び込むことができると思いますし、それによって雇用も拡大するし、また、岩手か九州か福岡かわかりませんけれども、観光業の発展にもなるでしょうし、本当に大きな波及効果が期待されるというふうに考えております。
 聞くところによると、この建設費が八千億というふうに伺っていますが、四千億、半分を日本が持って、あとは諸外国の出費で、十年ぐらいですか、かけて建設するように、ちょっと正確ではないかもしれませんけれども、そんなふうに聞いておりまして、決して予算のかかるプロジェクトではないのではないか、それ以上の経済効果も見込めるのではないかというふうに思っておりまして、これを、ぜひ誘致に向けて山本大臣にリーダーシップを発揮していただければというふうに思っています。
 今、研究者レベルでいろいろと話し合われているということでありますが、研究者の方にお話を聞くと、なかなかこういう施設なり、こういったものが日本に誘致できないというところの政治的な交渉力といいますか、そこの部分を指摘を受けることがありまして、普通に交渉に臨んで、まず一歩を踏み出してもらえればいいのにというお話も聞きます。
 ぜひ、このリニアコライダーを三本目の矢の目玉として、象徴として誘致されることをお願いしておきたいと思います。

全国の有力地場技術の有効活用について 【戻る】

 次の質問に移らせていただきます。ちょっと視点は変わりますけれども、山本大臣のお膝元、群馬には、IHIエアロスペースという会社があります。「はやぶさ」の回収カプセルを設計、開発した会社であると思います。また、救命救急に活躍するAEDも、群馬の日本光電工業株式会社の富岡工場でつくっておられます。また、楽器のウクレレとかハンドベルも、群馬だけで製造されていると聞いています。
 私の地元のことで恐縮ですが、東京都北区でもさまざまな技術がありまして、例えば、手術をする医師の手の大きさや長さに応じて、医師の好みに合わせてフルオーダーではさみなどの手術道具をつくる、そういう鉗子の技術が田中医科器械製作所というところにあります。また、細い直線の針金をつくるのは大変な技術なんですが、この針金の先にカメラやはさみをつけて、医療用のカテーテルに活用されています。その針金をつくっている佐藤精巧直線という企業もございます。また、千五百度の温度がはかれるセンサー技術、これも日本で二社、世界でも数社しかない技術があります。また、半導体の性能を検査する超精密機械を実用化した、世界で二人しかいない、そのうちの一人が北区の製作所の方にいらっしゃいます。
 検査機器を扱うというのが、北区の物づくりの一つの特徴でもあるんですけれども、これから、成長分野である医療現場と物づくり企業の技術をつなげていこうということで、今自治体も考えているところであります。
 日本全国、四十七都道府県に多分いろいろな技術があって、その一覧表みたいなものがないかなと思って取り寄せをしてみたんですけれども、なかなかそういう資料がないということだったので、ぜひ、こういう医療技術、製造技術、また、農業の技術、建築技術、日本じゅうが技術の宝庫だというふうに思いますので、こうした足元にある、これまでの蓄積された技術を今こそ吸い上げて、光を当てていくということも大事なのではないかというふうに考えます。
 今、いろいろな会議や本部や戦略室等が立ち上がっていますけれども、ぜひ、そうした状況を把握している都道府県や、また市町村の関係者の方々からも意見を伺う機会をつくられたらどうかなというふうに思いまして、これが日本の成長戦略の底力というか、底を支える大きな力になるのではないかというふうに思うのですが、いかがでしょうか。


○山本国務大臣

 群馬県の会社と産業のことを調べていただいて、ありがとうございました。
 今、青木委員のおっしゃった、地域発のすぐれた技術のいろいろな例は大変参考になりました。
その地域発の技術を持った関係者の方々といろいろと意見交換をしたらどうかというアドバイスは、どういう形になるのかわかりませんが、真面目に検討してみたいと思います。どういう枠組みになるのかわかりませんが、そういう方々と少なくとも意見交換をするというのは大変意味があるというふうに思っております。
 それから、地方発のすぐれた科学技術の例を集めた資料がないということだったので、これも、どこかにあるのかないのかわからないんですけれども、もしないとすれば、恐らく何らかの形でそういうものがあった方がいいのかもしれないので、それもちょっと、私、今のお話を受けて、研究をさせていただきたいと思います。
 それから、その上でちょっと御答弁を申し上げたいと思いますが、我が国がグローバル市場において持続的かつ発展的な競争力を維持するためには、これはもう、今おっしゃったように、地域におけるすぐれた技術を生かす、地域産業に新たなイノベーションを起こすとともに、地域経済の活性化を行うということは大変大事だと思っております。
 総合科学技術会議で現在策定中の、何度も出てきておりますが、科学技術イノベーション総合戦略においても、地域におけるすぐれた技術を生かすことが重要だというふうに考えておりまして、地域企業、大学等、産学官が連携しながら地域産業の発展を推進する等といった取り組みの重要性を盛り込んでおります。
 具体的には、地域企業のすぐれた技術、少量多品種で高付加価値の製品、部品の製造に適した三次元造形等の革新的な生産技術というものを、地域が持つさまざまな資源と組み合わせる、この融合によって地域の物づくり産業に新たなイノベーションを起こす、こういうこと等を同戦略に盛り込んでおりまして、確実に成果が出るよう進めてまいりたいと思います。
 もう言うまでもありませんが、委員がおっしゃった北区のいろいろな技術のほかにも、例えば、有名な岡野工業さんの、蚊の針と同じ細さの痛くない注射針とか、あと、これは実は総合科学技術会議のやったいい仕事だと思うんですけれども、医療プロジェクトなんですが、ナカシマメディカル株式会社、すぐれた船舶用のプロペラ技術を人工関節に転換して成功した例というのもありますので、そういう地域発のすぐれた技術をしっかり生かせるような体制をつくっていけるように、担当大臣として努力をしてまいりたいと思います。



○青木愛

 ぜひよろしくお願いします。
 眠っているというか、なかなかまだ表に出てきていないすぐれた技術がたくさんあると思いますので、ぜひ、日本全国挙げて、地方の声を生かしていただきたいというふうに思います。
 総合戦略の中身についてでありますが、先ほど、最低でも五百億というふうにおっしゃっておられますが、ちょっと印象として少な過ぎるのではないかというふうにも思うんですね。この辺は、例えば先ほどのリニアコライダーとか、こういうものをもし実現するといった場合は、これまた別の予算の枠になるんでしょうか。ちょっと細かいことで恐縮です。


○山本国務大臣

 リニアコライダーについては、私の今のスタンスは先ほど申し上げたとおりであって、今、いろいろと状況を見守っているところですので、予算の財源がどうということを、ちょっと私の方から言うような立場ではないと思います。申しわけありません。


○青木愛

 山本大臣の方から、予算のことはとおっしゃるんですが、でもやはり予算が大事なので、ぜひ山本大臣に、やはりイノベーションは柱ですから、本当に山本大臣にかかっていると言っても過言ではないと思うので、それを実現するためにも、予算の獲得というところでもリーダーシップをぜひ発揮していただきたいというふうに申し上げておきたいと思います。

原子力政策について 【戻る】

 あと、後半の時間なんですけれども、エネルギー政策も恐らくこの成長戦略の柱になろうかと思いますので、ちょっと原発に絡んで質問をさせていただきます。
 私も初めて質問主意書をせんだって出させていただきまして、御回答いただきました。これは、安倍総理の原発のトルコへのトップセールスについての質問主意書でございました。
 私は、原発の輸出だけは今の現状の中で思いとどまるべきだというふうに考えておりまして、いまだ被災者への手当てのめどもなかなかまだついていない状況で、また、廃炉に向けた技術もそうですし、使用済み核燃料の廃棄物の処理についても技術が確立されていない、一旦事故が起きるともう手がつけられないということが国民の間にも明らかになりました。安倍総理も、安全ではないとおっしゃっているんですね。
 そのような中で、日本が我先にと原発を売り込もうとする行為は、事故の被害者のみならず、諸外国からの信頼を損なう、本当に取り返しのつかない状況をもたらすのではないかということを大変心配いたしております。閣議でかけていただいて御回答いただいているので、山本大臣の、このトップセールスに対する御所見をいただければと思います。


○山本国務大臣

 日本の原子力発電の海外輸出はちょっと私の所掌を超えたところなので、それを申し上げた上で、閣議決定をしたということで閣僚の一人として申し上げれば、政府としては、福島第一原子力発電所事故の経験と教訓を世界と共有をする、このことによって世界の原子力安全の向上に貢献していくことが我が国の責務であると考えておりまして、原子力発電所の輸出については、相手国の事情や意向を踏まえつつ、世界最高水準の安全性を有する技術の提供を今後とも進めていく、このように理解をしております。



○青木愛

 より安全の向上を図るということなんですが、絶対的な安全はないということも明らかになったかと思うんです。そして、今、新興国や中東諸国の人口がふえたり、経済成長に伴う電力需要で、特にアジアでは今後二十年間に約百基ふえる見通しだ、韓国、ロシア、フランスなども官民を挙げた受注競争が激しくなっているという報道もございました。一方でまた、福島の原発を狙ったテロ計画もあったのではないかという報道も今ございます。
 こういういろいろな面から危険なこの原発が今後アジアの地域でふえていく、こういう状況を見たときに、日本こそが、事故直後いろいろな国から温かい御支援をいただいた、この日本が今後果たすべき役割はやはり、原子力エネルギーを超えた、安全で、そして安定的なエネルギー政策で国際貢献をするということなのではないかなと。それに伴う経済活動であれば、国民世論も頑張れという形で本当に心からの後押しをするのではないかなというふうに思うんですけれども、今の現時点ではなかなかそういうお話は伺えないんですけれども、今こそ日本が、原発にかわるエネルギー政策を世界に向けて、その方針を宣言するべきだというふうに考えております。
 例えば、領土問題も担当されていらっしゃいますので伺いますけれども、今福島の帰還困難地域、三百一平方キロメートルです。竹島が〇・二一平方キロメートル、尖閣諸島が六・三平方キロメートルであります。これを比較するのが適当かどうかわかりませんけれども、今回の原発事故で、この三百一平方キロメートルという帰還困難地域、言ってみれば、実際これだけの国土を原発事故で失っているということと同じだというふうに思うんですよね。
 こういうことも踏まえて、原発のエネルギー政策について、今何か思うところはございませんでしょうか。


○山本国務大臣

 青木委員の政治家としての信念は今伺いましたけれども、私の今の立場としてお答えできるのはさっきの答弁になってしまうので、繰り返すことはいたしませんが、そこは大変申しわけないと思うんですけれども、もう一度申し上げますけれども、政府としては、この原発事故の経験、教訓を世界と共有する、それによって原子力の安全に貢献することが責務であって、これについては、相手国の事情や意向を踏まえつつ進めていくということを理解しているということで、お答えさせていただきたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございます。
 また機会があったらぜひ質問させていただきたいと思いますが、地球の進化の歴史を今勉強させてもらっていますけれども、放射線を排除して、人類のみならず生物がこの世に生まれておりますので、わざわざ四十数億かけてでき上がったこの環境を、今、人類みずから放射線を発生させて壊していいものなのかという指摘もさせていただきまして、また次の機会に改めさせていただきます。
 どうもありがとうございました。