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  | HOME | >活動記録>>発言録2013年11月6日 衆議院文部科学委員会


「高校無償化法一部改正案」に関する質疑
     

○青木愛

 本日もよろしくお願いいたします。
 公立高校授業料の無償化ということで、これは民主党政権で成立をいたしました。
 今この審査が行われているということをどれだけの人が知っているかなというふうに大変懸念をいたしております。
 先ほどから、低所得者への支援が薄かったのでそれを手厚くするんだというふうに御答弁があるんですけれども、当時、民主党政権では控除から手当へということで、控除といいますと納税者を対象にしておりますので、高額であればあるほどその控除のまた恩恵もあるということで、控除から手当と、直接手当てをして、低所得者にも手厚くなるように、全国国民により公平に支援ができるようにということで、高校授業料の無償化ですとか子ども手当ですとか農業者戸別所得補償あるいは高速道路の無料化等々を目指したわけであります。戸別所得補償については名称が変わり、そして子ども手当は児童手当に戻りました。高速道路の無料化については実験段階で凍結をいたしております。
 最後のとりでが、この高校授業料の無償化という感がしております。ある程度これは浸透しているなというふうに思っていたものですから、今度この制度が変わることについては、生活の党といたしましても大変残念な思いがいたしております。これが民主党政権の目玉政策であったがゆえに、この最後のとりでが崩されるのではないかという感も若干否めないわけでございますが、よもやそのようなことはないというふうには信じますけれども、その辺が大変懸念をしているところでございます。
 この間、政権が一回、二回とかわりまして、大変国民も混乱をしている部分もございます。特に、教育ですとかあるいは社会保障、こうした性質のものは、政権がかわるごとにその理念や制度が変わるのではなくて、やはりしっかりとした議論を踏まえて、この時代に合った、ある程度その見通しの立つ中身に議論を尽くしてその結論を得るということが大変大事ではないかというふうに考えております。
 今、この法案についてはパブリックコメントもしておりませんし、広く一般の国民に聞いていないという現状にございます。そして、地方自治体では、これを来年度から実施するとなると十二月の議会で条例改正をしなければならない、また、全国知事会に至りましても、これまで数回にわたり申し入れなどを行って、拙速な制度の改正に反対をされているという御意見も伺っているところでございます。
 先ほどの下村大臣がおっしゃった財務省の壁ということについて、私はまだよくわからない部分がございますけれども、それを打ち破るためにも、ぜひ世論を喚起して、もっと広く国民の意見を集約していくという作業が大事なのではないかなというふうに思うわけでございます。
 下村大臣は決してこの無償化自体を否定はしていないということでありますので、また来年度の通常国会では、冒頭いろいろと、十項目でしたでしょうか、さまざまな法案の審査が控えているということでもありますし、いろいろな重要な制度改革も控えているわけでございますから、それらを含めて、この高校授業料の無償化についてもまた議論を尽くしていく、そういう方向性について、その可能性について、現在、下村大臣のお考えをぜひ伺わせていただきたいと思います。


○下村国務大臣

 高校無償化は最後のとりでだというふうにおっしゃいましたが、やはり財源なき中での四Kというところが問題があったというふうに思うんですね。
 ですから、今回も財源があれば、これは今のまま制度維持しながらさらに加算をするということは当然あり得る話ですけれども、限られた財源の中でより効果の上がる政策、そして公正公平な政策は何なのか、真に必要な教育効果は何なのかということをやはり考えなければならないのではないかと思います。政権交代のたびに政策が変わるという話が今後はないように、我々政権は謙虚に、交代することがないように、これから取り組んでいきたいというふうに思っております。
 その上で、今回の高校授業料無償化についてはいろいろな危惧があったことは事実ですが、しかし、今おっしゃったような危惧は全部解決できたと思っていますし、だからこそ、今国会にこういう形で法案を出させていただいているわけでございます。
 都道府県の知事会の了解も得られ、そして、この国会でこの法案が通れば、システム開発等、来年四月からスタートするということでは、四十七都道府県全てが間に合うということを言っていただいておりますし、また私学関係者の方々に対しても了解をとっていることでありますし、あとは早く、今国会で野党の理解をいただきながら、成立についてぜひ御協力をしていただきたいと思います。


○青木愛

 ありがとうございます。謙虚に臨んでいくということは大変重要な姿勢だというふうに思っております。
 ただ、教育環境が財源を視点として語られるというのは大変残念な気がしてなりません。OECD先進国においては、ほとんどが当たり前のように所得制限を設けない無償化というものが導入されている中で、なぜ日本だけがこんなにおくれているのかということを率直に考えるわけでございます。ぜひ、下村大臣におかれましては、そのリーダーシップを発揮していただいて、財務省の壁を本当に打ち破っていただきたい、これは国民の、また子供たちの声でもあろうかというふうにも考えております。
 質問を変えさせていただきますが、重なりますけれども、先ほど来、授業料無償化導入による成果について御質問が続いておりました。退学者の減少という成果について私も質問させていただきたいと思います。
 下村大臣、私も東京の選出でございますので、東京都の数字で申し上げますと、東京都教育委員会高等学校指導課の数字によりますと、導入前、二〇〇九年、四十二名の退学者、中退、退学した生徒数でありました。それが導入後、二〇一〇年に四人に減少いたしております。四十二人がこの制度の導入によって四人に減りました。
 これをどう捉えるかなんですが、先ほど来、費用対効果というようなお話もありますけれども、四千億に対して意味があるのかどうか、政府内でも見解が分かれているところだということでございましたけれども、四十二名が四名に減ったということについて、大臣の御所見を再度お伺いさせていただきたいと思います。


○下村国務大臣

 東京都の調査では四十二名が四名ということで、一定の効果があったんだろうというふうに思います。
 全体的に見ますと、高校中退者数の推移は、平成二十一年度が五万六千九百四十七人が、平成二十二年度五万五千四百十五人、平成二十三年度が五万三千八百六十九人という推移でございます。そのうち、経済的理由による高校中退者数については、平成二十一年度が千六百四十七人、二十二年度が千四十三人、二十三年度が九百四十五人ということで、平成二十三年度の経済的理由による高校中退者は、高校授業料無償化制度導入前の二十一年度と比べると、七百二人減っているわけでございます。
 これは先ほども答弁で申し上げましたが、かつて民主党の文科大臣が、この数字をとって、つまり五〇%削減されている、減っているというので、効果が上がったのではないかということですが、トータル的な数字の五万六千九百四十七人の半分が減っているということであれば、それは四千億に対しての的確な評価があったと思いますが、その五〇%というのは千六百四十七人に対する七百二人ですから、その数で四千億円、それだけではないわけですが、そのときの理由はそういうふうにおっしゃっていましたが、それだけを考えたら、費用対効果という考えからしていかがなものか、そういうことを申し上げたわけであります。



○青木愛

 費用対効果というのは大変なじまない、何となくそういう言葉、響きに感じるわけですけれども、経済的な理由ばかりではないとは思いますけれども、四十二人が四人に減ったということは、私は大変な成果があったというふうに考えています。
 我が子であれば、自分にとっての一人の子供でありますので、それは本当に愛情を持って育てるのは当たり前でありますけれども、やはり政治の視点は、こうした子供たちを我が子のように、社会の子供を育てるという視点で、やはりある意味の情とそして覚悟を持って、一人一人に手を差し伸べていくというのが政治の視点であるはずなわけです。ですので、費用対効果とか、四千億に対して意味があるなしというふうに政府の中でいろいろな御意見があるということなんですけれども、この後、残された四人をどうしていくのか、一人残さずどうしていくのかというのが政治の考える方向性なのではないかなというふうに思っております。
 そういう意味では、この無償化が導入されたことで、四十二引く四ということで三十八人、三十八人がまず経済的理由で学校に行けなかったけれども行けるようになった、三十八人の子供が、人間が救われたということは、大変大きな喜ぶべき成果であったというふうに思います。これも一つの側面ではありますけれども、この成果が本当に後戻りしないかと大変懸念をしているところでございます。
 先ほど大臣がいろいろと、知事会等々も、自治体の方も環境は整ったというふうにおっしゃってはおられるんですけれども、私、この就学支援金というものの計算方法が複雑で、いろいろ御説明いただいたんですけれども、何度も繰り返し説明をしていただいて、もうページをあっちこっちめくりながら、ようやくそのときはわかったんですけれども、今見ると、もしかしたらまたわからないんじゃないかなというくらい複雑でございました。
 この就学支援金の計算方法なんですけれども、どういうふうに計算をするのかというのを、ちょっと事例を挙げて御説明をいただけたらというふうに思うんですけれども。


○前川政府参考人

 就学支援金の額は、ベースは年額十一万八千八百円でございます。公立学校の生徒の場合ですと、その十一万八千八百円が支給されるかされないかということでございまして、その境目が保護者の所得で九百十万円ということなんですが、この九百十万円というのは、具体的には何で判断するかというと、これは、市町村民税の所得割額で判断することになります。
 これは、九百十万ということですと、市町村民税の所得割額で三十万四千二百円という額、それが基準になるということで、自分のところの収入に対する市町村民税の税額、所得割額の税額が三十万四千二百円以上であるか未満であるかということで、支給されるかされないかということが確認できるわけでございます。
 これは私立学校につきましても同じように、所得制限の額は同じでございますのでその点は同じでございますけれども、私立学校につきましては、年収が三百五十万未満のケース、それから二百五十万未満のケースでそれぞれ、現行においても加算がございます。
 さらに、今回、それに加えまして、五百九十万未満、三百五十万以上の世帯につきましても加算をしていこうということで、これは文部科学省として今考えている仕組みでございますけれども、最も低所得の世帯の、二百五十万未満の年収の世帯、これは夫婦二人、子供二人のケースを考えているわけですが、そのうち一人が高校生、一人が中学生以下というケースですが、それで二百五十万未満、これはいわゆる非課税世帯でございます。ですから、税金がゼロという世帯でございます。その世帯につきましては、今、十一万八千八百円掛ける二倍、約二十四万円出ておりますけれども、それを二・五倍にするということで、約三十万円支給されるということになります。
 やはり複雑でございますか。
 私立学校の場合ですと、支給されない人、それから一倍の人、一・五倍の人、二倍の人、二・五倍の人、そういう段階ができてまいりますので、そこはそれぞれの境目がございます。それはいずれも、何で判断するかといいますと、市町村民税の所得割額の額で判断するということですので、いずれにしても、市町村民税所得割額を見ていただければ、自分のところがどの支給に当たるのかというのはおわかりになるはずだと。
 これは、制度が発足いたしましたら、発足することが明らかになりました時点で十分周知してまいりたいというふうに思っております。



○青木愛

 局長がおっしゃるように本当に複雑でありまして、公立は二分割ですか、私立が四分割か何かになっているということで、もともとの市区町村民税所得割額というのはどうやって出すのかということもありますし、そもそもそれが何なのか。また、所得割額によっては一・五倍になったり二倍になったり、子供の数によってその基準が変わったりということ。
 大変複雑なこの計算を親御さんがしなくちゃいけないんですよね。


○前川政府参考人

 まず、支給の対象になるかならないか、これを判断するためには、三十万四千二百円、この数字だけ覚えていれば大丈夫でございます。
 市町村民税所得割額と申しますのは、総収入、全体の収入からさまざまな控除を引きまして、その残った部分がこれは課税所得でございます。課税所得に、市町村民税ですので六%の税金がかかるわけですけれども、それを掛けたもの、大ざっぱに言うとそういうことでございます。それが三十万四千二百円であるかどうか、それ以上であるかそれ未満であるかということで、支給の対象になるかならないかということがわかります。
 ですから、これはもう家族構成がどうであろうと、子供が何人いようと、母一人子一人の世帯であろうと、夫婦それから子供が五人という世帯であろうと、この三十万四千二百円という数字は変わりません。ですから、それだけ覚えておいていただければ、所得制限にかかるのかかからないのかということはわかるはずでございます。
 その点につきましては、制度発足に当たっては十分周知してまいりたいというふうに思っております。



○青木愛

 今聞いても大変複雑なんでございますが、これを各御家庭のお父さん、お母さんが本当に計算をきっちりして、そして申請ができるかどうかというところをすごく懸念いたします。
 これは、申請ができない場合は授業料を払いなさい、十一万八千八百円支払いなさいということになるわけですよね。


○前川政府参考人

 所得の確認ができなければ、これは授業料を徴収する対象になってしまいますので、しっかりと申請をしていただく必要があると思います。



○青木愛

 やはり、原則が有償に変わってしまって申請制にしたがために、本当に低所得者の方々にとって無償が確実なものとなるのかどうかというのは、大変これは懸念をいたすところであります。
 そして、万が一、申請ができずに支払えと言われ、支払えない場合はどうなるのでしょうか。学校の先生が徴収をするのでしょうか。


○前川政府参考人

 授業料の徴収につきましては、これは各都道府県がそれぞれのシステムをつくっております。通常は、それぞれの保護者の口座からの自動引き落としという形で毎年度一定の時期に納入がされるという形になりますが、そのためには電算システムが必要になってくるということでございます。



○青木愛

 親御さんが申請ができない場合は十一万八千八百円を支払うということになります。支払えない場合は、その生徒さんはどうなるのか、また、学校の先生がその窓口に当たるというふうにも伺っておりますが、また煩雑な事務作業等々に追われる日々になるのではないかということで、本当に健全な教育現場が保たれるのかどうか、本当に懸念をするところでございます。
 質問をかえさせていただきますが、こちらも先ほど来質問が繰り返されていますけれども、幼児教育から高等教育までの無償化の整合性についてであります。
 政府・与党、本年六月六日、今後の幼児教育の無償化に向けての基本方針をまとめました。
 この中では、環境整備と財源確保を図りつつ、まずは五歳児を対象として無償化を実現することを視野に置き、平成二十六年度から段階的に取り組むものとして、幼稚園と保育所の負担の平準化等、幼児教育に係る保護者負担の軽減に取り組むものと御答弁をされておりますが、一方で高校の授業料については有償にして、そして幼児教育は無償にする、この整合性、筋はどのように御説明されますでしょうか。


○下村国務大臣

 有償制にするといっても、所得制限が九百十万円だということについては念頭に置いていただきたいと思います。ですから、対象になるのは約二割ぐらいということですね。つまり、九百十万以上の方々が対象ということであります。
 幼児教育は、まず、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、御指摘ありましたが、六月の幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議の取りまとめを踏まえまして、文部科学省としては、平成二十六年度概算要求において、幼稚園と保育所の負担の平準化を図る観点から、低所得世帯、多子世帯の負担軽減を行うため、幼稚園就園奨励費補助の拡充要求をしているところであります。
 つまり、今まで、保育園の父母負担よりも幼稚園、私立幼稚園の父母負担額の方が大きかったんですね。大きかったんです。それを保育園の父母負担並みに合わせた、それが平準化ということであります。
 この幼児教育の無償化については、さきの取りまとめとして、「まずは「五歳児」を対象として無償化を実現することを視野に置いて、平成二十六年度から「段階的」に取り組む」、「「段階的」に取り組む」というのは、先ほど申し上げましたが、保育園の父母負担額に合わせるということで、第二子については半額、第三子は無償、ただし、子供が三歳から九歳までの間に二子、三子がいなければ対象にならないということでありますが、それは保育園並みにするということであります。そういう制度設計を二十六年度から段階的に取り組むということになりました。
 今後、どのような対象、方法をすることが適切かどうか、所得制限を導入するか否かも含めて、総合的に検討してまいりたいと思います。今回の二十六年度だけでも財源が三百億で、これも相当、今後財源を探してくるのには大変これは苦労する話でもあるんですけれども、要求したから財務省が自動的にオーケーというふうにはまだなっていない中で、これから財源をどう確保するかということは、我々としては最重点項目として位置づけても、なかなか厳しい状況がございます。
 ましてや、幼児教育の無償化を全部実現するためには七千九百億円ですから、これは大変なことで、それだけの額を考えると、今時点で所得制限を導入するか否かもまだはっきり決められない状況ではあります。
 一方、高校無償化制度の所得制限の導入は、先ほどから申し上げていますが、現下の厳しい財政状況のもと、より効果的に本制度を実施する観点から、現行予算を活用し、低所得者世帯への支援を重点的に行う等の改善を行うもので、ある意味、幼児教育無償化と高校無償化の方向性は矛盾するものではないと考えております。


○青木愛

 九百十万で線引きされているということでありますけれども、先ほどの計算式からしても、低所得者が本当に無償になることが担保されているかどうかというのは大変懸念に思っているものですから、その点が一点。
 幼児教育も、本当に無償にしていただければこれにこしたことはないというふうに思っておりまして、これは自民党の目玉政策であろうかと思いますが、三歳から五歳までを対象とすると七千九百億をつけて実施するんだという意気込みを感じておりますけれども、この高校の授業料無償化については四百九十億あれば所得制限を設ける必要はないわけでありますので、七千九百億とともにこの四百九十億の、どこかほかのところからこの財源を持ってくるというところのやはり努力が、文部科学委員会にその努力が必要なのかなというふうに思っております。
 民主党は、高校授業料無償化でやりましたけれども、自公政権は、幼児小中高一貫無償化みたいな、そんな大胆な何か打ち出し方をお考えになりませんでしょうか。


○下村国務大臣

 今、教育再生実行会議で、六・三・三・四制、学制のあり方について議論をスタートしていただいております。
 その中で、義務教育期間をどうするか、現行の九年間をどうするかということと、それから、義務教育期間と別に無償期間をどうするか。つまり、義務教育と無償期間が重なる必要はないのではないかという前提と、それから、そもそも六・三・三・四制そのものがこれからの時代に適応できるのかどうかという論点から今議論していただいております。
 そういう意味で、財源論も、責任を持ちながら、できるだけ無償化に近い層が広がっていくような、教育、公的支援のあり方についてぜひ検討していきたいと思っております。



○青木愛

 ありがとうございます。その点につきましては、ぜひ前向きな御議論をお願いしたいと思っております。
 一点だけ確認をさせていただきたいと思いますが、在外教育施設への支援の拡大でありますけれども、日本人学校等とあるのですけれども、この等の中身はどうなっているのかを一点お聞かせをいただきたいと思います。
 今、日本人学校ではなくても、高校生のうちから語学学習等々で海外留学をする高校生が大変ふえておりますけれども、こういう高校生に対する支給というのはあるのでしょうか。


○前川政府参考人

 在外教育施設で日本人学校等といっておりますのは、いわゆる日本人学校、これは、それぞれの都市におきます在留邦人の方々が力を合わせてつくった学校でございまして、こういうタイプの学校で高等学校段階に当たるものとしては、現在、上海にあるものが一校あるだけでございます。
 そのほかに、日本の学校法人が主体となって海外につくった高等学校段階の学校が数校ございます。例えば、早稲田渋谷シンガポール校でありますとか、立教英国学院でありますとか、慶応ニューヨーク学院でありますとか、そういった学校でございますけれども、こういったものを含めまして、日本人学校等あるいは在外教育施設と呼んでおります。
 こういったところに通う生徒のうち所得制限にかからないものについては、今後この支援の対象にしてまいりたいと考えておるところです。



○青木愛

 日本人学校にほぼ限られるということだと思いますけれども、やはり、グローバル社会で活躍する人材育成をという方針を打ち出されているわけですので、ぜひその枠を超えて、留学高校生についての支援もいろいろな角度からまた御検討いただければというふうに思っております。
 今回の、この授業料無償化が抜本的に変えられるということには、大変残念な思いであります。
 何とか議論の余地はないものかというふうに思っているところでございます。どうしても、教育について財源の視点からの議論ということは、考え方としてすごく貧困というか、大変せこい感じがしてしまうんですけれども、例えば、高額所得者から四百九十億ですか、二割の方から捻出をいただいて低所得者に充てていくということで、先ほどからお話があります、教室の中で、支払っている支払っていないという差のみならず、何か支援をして教育を受けているというような、そんな気持ちにならなければいいな、そんなことも考えるわけであります。
 いずれにいたしましても、やはり文部科学省の役割は大変大きいと私は思っています。一つは、人類としての進化である科学を担い、そして一つは、人格形成にもかかわる教育を担っているという、教育と科学、この二つを担う文部科学省は、本当に国の根幹を担っていると思っているわけでございまして、ここに予算がつかないというのは本当におかしいというふうに思っています。
 教育再生を掲げ、グローバルな人材育成を目指している自公政権、また、その先頭に立つ下村大臣に、ぜひとも実りある財務省との交渉をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。