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  | HOME | >活動記録>>発言録2013年11月29日 衆議院消費者問題に関する特別委員会


外食メニューの偽装表示問題に関する参考人質疑
    
参考人となられた方々は以下のとおりです。
日本ホテル協会 
小林会長      全農食品品質・表示部 立石部長
NPO法人消費者支援機構関西 
理事長    神戸大 根岸名誉教授


○青木愛

 きょうは、四名の参考人の皆様方、貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございます。
 生活の党の青木でございます。よろしくお願いします。
 これまで各委員から御質問が出ておりますが、改めて私からも質問させていただきたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、食品の表示の偽装、誤表示がなぜ起きたのかというところなんですが、調査をされているかと思いますので、なぜ起きたのか、また、それぞれのお立場から今回の一連の問題をどのように分析されているか、お聞きしたいと思います。四名の参考人にお聞きしたいと思います。


○小林参考人

 先ほど来申し上げておりますが、我々業界の勉強不足、知識不足、認識不足、それによるものが今回の事態を出来させたというふうに考えております。 以上であります。


○立石参考人

 やはり、意識と仕組み、この両面で課題があるんだろう。ですから、人は誘惑に弱いですから、もしルールがなければ、そこの下をくぐったり、逆手にとったりする人が必ず出てきます。やはりルールということをきちっと、ルールというのはモラルでもって、ルールがなければモラルが低下していく、こういうことの中で、いずれにしても人がやることですから、そういったことを前提とした仕組みがやはり必要じゃないのか。今回は、そういう面では、仕組みが大きく欠陥があったというか欠けていたというふうに私は考えています。


○榎参考人

 私は、申し上げましたように、業界のいわゆる経営の論理、利益の論理優先の、消費者を軽視したといいますか、消費者を無視したといいますか、その論理が最優先になって、そして、過当競争のもとで、お客さんをよりたくさん集めるために、名前を、より優良な、お客さんが呼べる、そういう誤表示じゃなくて偽りの表示をした、そういうふうに理解しております。


○根岸参考人

 やはり、これまで、これぐらいならいいだろうという従来の商慣習というのがずっとあったと思うんですね。これをやはり、今回のこれを契機にして、徹底的に洗い直していただきたいと思います。それで、本来あるべき表示のルールをつくっていただきたいと思います。
 それからもう一つは、先ほど申しましたけれども、やはり、なぜ起こったかということについてしっかりと検証して、その原因を突きとめて、そして、対策というのをそれぞれの事業者あるいは業界団体でまとめていただきたい、こういうふうに思います。



○青木愛

 大変参考になる御意見をありがとうございました。
 それぞれおっしゃられた理由について、私も納得するところでございます。ぜひ、ホテル協会さんといたしましても、その原因究明、しっかりとした検証をお願いしておきたいと存じます。
 そして、今もお話にありましたけれども、やはり、意識とともに仕組みの問題もある、ルールがしっかりとしていなかったという点が私もあろうかと思いますが、唯一外食を対象にしているのが景表法だということでありまして、この景表法においても、外食については表示の義務がないということでありますし、表示する場合は、殊さらに大げさな表現はだめだという限りの法の仕組みとなっているというふうに認識をしています。
 これまでなぜ外食が対象にならなかったのか、法整備が及ばなかったのか。これは国の課題でもありますので、参考人にお聞きするのもちょっとあれかもしれませんけれども、知る限りにおいて、ある意味、偽装が起こる余地を残していたとも言えるとも思うんですけれども、なぜ外食がこれまで法整備の対象となってこなかったのか、お聞きできればと思います。わかる範囲でお願いいたします。四名の参考人に伺います。


○小林参考人

 私の立場としては、今の御質問にはお答えできかねます。


○立石参考人

 私の知る限りでは、そのことについては知識がございません。


○榎参考人

 外食といいましても、本当にさまざまなレベルといいますか、先ほども申し上げましたように、極めて数も多いですし、そして、いわゆる中食も含めて、多様なところでございますので、法でそういった規制といいますか、それが必要だと認識しながらも、やはり、まとめたところまでにはまだなっていなかったというふうな理解はしております。
 そこがもう全く要らないということではなくて、やはり、まだそこまで議論が煮詰まっていなかったのではないかというふうに理解はしております。

○根岸参考人

 外食産業というか、ホテルでも百貨店のレストランでも、これは景品表示法でもとからそれは対象ですね。対象ですから、それは別に可能だったと思いますし、これまでやってきたと思います。それが多分必ずしも十分ではなかったということを示しているんだろうと思います。
 したがって、その執行体制をどうするかということがこれからの一つの問題ですね。
 もちろん、表示というのは景品表示法だけで問題が解決するわけでなくて、やはり、さっきからお話しのように、食品衛生法なりJAS法なりありますから、そういうものと、もちろん全体としてやっていくということでございますけれども、しかし、景品表示法でも、これまでもやってきたし、これからもできるはずなんですね。
 ですから、それは、もし足らないとすれば、やはり執行体制ということでありまして、私の意見では、まずは、公正取引委員会との共同所管にして、公正取引委員会の地方事務所が積極的に動けるような仕組みにしていただきたいというのが、まず私の意見として述べさせていただいたところでございます。



○青木愛

 今の根岸参考人の御意見ですと、景品表示法でもまだまだできる余地があるということでありますね。わかりました。
 それとともに、先ほどからいろいろな委員から御指摘があるんですけれども、消費者にとりますと、安全面の確保というところがやはり一番気になるところだというふうに思います。
 アレルギーの問題ももちろんですし、やはり放射能の問題ですとか、原料原産地の問題もあります。そして、これからオリンピック招致を迎えるに当たり、海外の、例えばイスラム圏だとかインドの方々のそれぞれの国の風習にかかわるものですとか、今後の課題で、国際交流が深まっていく中で、やはり安全面の観点から、そうした表示も必要なのではないか、そのように考えるわけなんです。
 先ほどから、トレーサビリティーとかJAS法とか食品衛生法とか、いろいろな法律での強化のお話も出ておりますけれども、実際、どこまでできるのか、現実的に実現可能なのか、どういう方法が一番よいのか、改めてお伺いをさせていただきたいと存じます。四名の参考人に伺わせていただきます。


○小林参考人

 その必要性をどう捉えるかということの勉強がまず第一だというふうに思います。
 それで、世界じゅう、最近話題になっておりますイスラムのハラールだとかユダヤのコーシャーフードですとか、いろいろございます。それも含めて、どういう対応がそれぞれの国の事情に対して必要かということを勉強しまして、それに対して対応していくことが必要かというふうに思います。
 いずれにしても、オリンピックには世界じゅうからお客様がいらっしゃるわけで、この方々を歓迎する意味でも、そのような対応は必要かというふうに思います。


○立石参考人

 必要な情報は、名称、原材料、あと製造者氏名というのが加工食品に今伝達義務があるわけなんですけれども、ここは今、レストランとかは課されていません。ですから、この情報を、いわゆる原材料情報というところにも、もちろん原産地も入れれば、これは完璧なんですね。
 ほぼ、アレルギーも含めてこの中に含まれてしまうんですね。ですから、必要な情報というのを、何がない、何がある、原材料というのがあって原産地があれば、あとは、名称ですとか、誰がつくったか、こういう情報が、つくった一番の生産者のところから販売者までの伝達のところをきちっと固めれば、ありとあらゆることに対して対応できますし、何ら問題がない。この仕組みが我が国は非常に脆弱でありますし、取り組みがおくれているということでございます。


○榎参考人

 直接お答えにならないかもしれませんが、学生にいつも言っているのは、世界食糧生産論という中で、世界の歴史の中で、食料が過剰、トータルでですよ、一国では別問題として、トータルで過剰になった時代というのはないんだ、やはり食料生産というのを自国でどうするのか。
 これは、もちろん輸入がだめだということを言っているわけじゃありませんけれども、自国の農業、漁業、林業をどうするかというのは、自国の問題であるとともに世界全体の問題なんだ、そういう中でこの問題をきちんと位置づけなければいけないなという思いと、それから、私、孫に言っているのは、うそを言ってもうけたらいけないよね、これはどの世界でも共通することじゃないかというふうに私は思っております。


○根岸参考人

 基本的には、消費者庁がなぜできたかという、消費者行政の一元化というところから始まっているわけで、それを何とか実質化するというか、その理念をこれからどうやって実現していくかということで、それは消費者庁だけの問題ではなくて、やはりまさにオール・ジャパンの問題だ。その長、一番トップは内閣総理大臣なんですから、それは、縦割り行政といつまでも言っている場合ではないと私は思っています。



○青木愛

 本当におっしゃるとおりだと思います。そして、まさに飽食の時代でありまして、今、廃棄している食料を燃やすのに一・八兆円使っているというような情報もいただいておりますので、本当にそれぞれの先生方のおっしゃるとおりだというふうに思っております。
 立石参考人がおっしゃった、原材料、原産地を明記していくというのは、外食の、レストランのテーブルまでということでよろしいんですよね。
 いわゆるトレーサビリティーを米とか牛以外のものにも適用して、外食にも適用していくということなんでしょうか、トレーサビリティーを強化して。


○立石参考人

 将来的には望ましいと思うんですけれども、現時点では、いわゆる、先ほど申しましたとおりに、業者間取引の伝達の情報がきちっとなっていない中でその義務を課すということは非常に難しいと思っています。私どもも、レストランを運営している立場として、現行の、ではそこまでできるかと言われると自信がありません。
 ですから、まずは、トレーサビリティーの仕組み、いわゆる業者間の中での伝達情報をきちっとやる。そこから最終的に販売者までつながる仕組みというのは、原材料がわからないだとか、どこの産地かわからないというものがいわゆる販売者側まで流れてくる今の現実を考えますと、そこのところをしっかりしないと、まだまだ、そこまでの法制化は難しいだろうと思っています。



○青木愛

 私は、できれば外食も含めて、米、牛以外も、あらゆる加工品について徹底できればそれにこしたことはないというふうに思うのですが、現場の声も聞きながら、より実効性の高いものにしていくべきではないかというふうに思っています。
 そして、先ほどから情報公開の観点からもさまざまお話がありますけれども、今の時代の流れとすると、やはり情報公開をした方がむしろお客さんの信頼を得られるような風潮にあろうかというふうに思っています。正直な情報だからこそ安心をして、また客がつく、リピーターもふえる。そして、食材の安全は確保してもらって、そして、食材はこういうものだけれども、料理人の腕でおいしいものを提供している。むしろ、そちらに期待するところが大きいのではないかというふうに思います。
 食の、食品の安全、安全がしっかりと確保されているということと情報もしっかりと公開をされている、この二点でこれから日本の食が世界からも評価をされるということにつながるのではないかというふうに考えております。
 これから国に、行政にそれぞれのお立場で求めることがございましたら、最後に四名の参考人にお伺いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。よろしくお願いします。


小林参考人

 このたび私どもの業界が起こしました大きな問題に対しましては、本当に消費者の皆様に御迷惑をおかけして申しわけないという気持ちでいっぱいであります。
 今後、再発防止に向けて努力してまいりたいというふうに思っております。


○立石参考人

 私は、何度も申し上げましたけれども、消費者基本計画の理念、そこに基づいてやっていければ何ら問題はないと思っています。


○榎参考人

 立石参考人と同じであります。
 せっかく消費者庁がいろいろな形、応援の中で出てきたわけですので、これをまさに司令塔として機能できるような形で消費者も応援したいなというふうに思っております。
 同時に、我々消費者サイドも、やはり本当の意味での消費者力というのをきちんとつけないといけない、私たち自身、消費者自身がまたもっと勉強して力をつけていかなければいけないなというのをこの間痛感している次第です。


○根岸参考人

 基本的には今の御意見と全く同じでありまして、やはり、消費者庁ができて消費者行政一元化ということを実現したわけですが、しかし、それをただ消費者庁にだけ任せて、消費者庁は何やっているんだ、そういうようなことだけでは解決しないと思います。やはり、消費者庁ができて消費者行政一元化したんだけれども、みんなが連携しないとそれはできませんので、行政としてはそれを一番望んでおります。



○青木愛

 大変ありがとうございました。
 きょういただきました御意見をもとに、また次の質疑に参考にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。