▲TOPへ戻る

  | HOME | >活動記録>>発言録2013年12月3日 衆議院消費者問題に関する特別委員会


食品表示偽装問題集中審議
    

○青木愛

 生活の党の青木でございます。
 早速質問に入らせていただきます。今回の偽装問題の社会的影響ははかり知れないものがあり、早急な対応が必要であります。
 まずは、法整備の必要性についてお伺いをさせていただきます。
 ことし六月に公布され、平成二十七年に施行予定の食品表示法の目的や理念には、消費者の安全、自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保、また、消費者の自立を図る上で、適切な情報を提供されることが明記をされています。
 これら条文は、外食の場合にも十分当てはまるものであると考えています。アレルギーや添加物、また原料原産地など、人の生命や健康にかかわる表示問題は看過できないものでございます。早急な対応が必要なことから、この食品表示法の前倒し、あるいは食品衛生法やJAS法の改定によって、外食、中食にも適用範囲を広げるということを視野に入れた検討が必要だと思いますが、いかがお考えでしょうか。


○山崎政府参考人

 お答え申し上げます。
 御指摘の食品のアレルギー表示でございますが、現在、食品衛生法に基づきまして、いわゆる加工食品には義務づけてございますが、外食、中食に対しましては、こういう表示は義務づけてございません。
 これに関しましては、外食等におきましては、提供される商品の種類が多岐にわたり、その原材料が頻繁に変わること等、特に外食等におきましては、注文等に応じましてさまざまなメニューを調理するということでございまして、なかなかこの点で難しいという課題がございます。
 ただ、食品表示法の検討過程におきましても、アレルギー表示の問題は大変大事だということで、自主的な提供が促進されるよう、専門的な検討の場を別途設けて検討するという形になってございまして、そういったものを踏まえ、今後、検討課題の一つとして進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。



○青木愛

 自主的な取り組みによるというお話でございますが、やはり国は、特に生命や健康にかかわることは厳しい目線で取り組む必要があろうかというふうに思っておりまして、ぜひ外食にも適用すべく、この法整備についても積極的にお考えをいただきたいと思います。
 日本の食に対する信用、国内はもちろん、国外からも回復するためには、食の安全をしっかりと確保して、それにつながる安心を確保すること、そして、それを確保していることの発信、これが必要だというふうに思いますので、大変なことは承知をいたしておりますけれども、そのための法整備となれば、必要となれば、ぜひ思い切って積極的な取り組みをお願いしておきたいと存じます。
 二番目といたしまして、全国の消費生活センターとの連携の必要性についてお伺いをさせていただきます。
 食品偽装の監視強化、措置命令も含めてですが、そちらにおいて、政府は景表法の改正で、都道府県への権限移譲、あるいは農水省のGメン、また公取などによって監視強化を強めるなどを検討されているようですが、消費者にとって最も身近な、各地域にございます消費者センターの活用が現実的に実効性のあるものではないかと考えますが、いかがでしょうか。


○山崎政府参考人

 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、食品表示問題におきましても、お尋ねの消費者生活センター、こういった身近な場所におきます対応は大変大事だと考えてございます。
 そこで、消費者庁におきましては、地方消費者行政活性化基金、こういったものを使いまして、センターにおきます事業者指導でありますとか法執行の強化を図る、そういう事業を支援しているところでございまして、まさしく地域の拠点としてこのセンターを活用し、この問題に関しての対応を強化してまいりたいと考えている次第でございます。
 また、今回のケースをさらに踏まえまして、消費生活センターの相談員の方に対する研修も強化してまいりたいと考えてございます。地域の食品表示の調査、監視体制の強化、こういったものをまさしく進めてまいりたい、このように考えている次第でございます。



○青木愛

 何かとトラブルが起きると予算がつくという流れには、私は疑問を持つところでございますけれども、手足がなくてできなかったでは済まないわけでありまして、やはり、事が起こってからではなく、起こらないようにするのが本来の目的でありますので、消費者センターに専門の窓口を設置する等々、人的、財政的バックが必要であれば、それも前向きに進めていくべきではないかというふうに思います。
 せんだっての参考人質疑の中でも、まだまだ景表法の中でできることもある、景表法の執行をしっかり進めるべきだという御意見もありましたので、ぜひその点につきましてもお取り組みの御検討をというふうに思います。
 大臣にお伺いをしたいのですが、法整備の必要性と、今の消費者センターとの連携の必要性について、一言、お考えがあればお聞かせをいただきたいと存じます。


○森国務大臣

 消費生活センターにつきましては、地方消費者行政活性化基金を通じまして、その事業を支援しているところでございます。
 今般の偽装表示の問題についても、地域の消費生活センターが担う役割は重いというふうに思います。また、期待も高いというふうに思いますので、委員の御指摘を踏まえまして、今度の対策の中に、消費生活センターの相談体制の強化につきましても前向きに検討してまいりたいと思います。



○青木愛

 ぜひよろしくお願いをいたします。
 そして、こうした問題の本質には、ブランド志向の消費者心理とともに、大量の食品廃棄などのさまざまな問題も潜んでいるのではないかと思います。参考人の質疑の中でも指摘がございました。
 例えば、インドネシアやタイなど、米をつくるのをやめて、エビなどをつくっています。日本から見れば、他国の農地や水や労働力を使ってエビを育て、輸入をしていながら、食品の廃棄物の量が、事業所からは四百万トン、家庭からは四百万トン、計八百万トンが廃棄をされていて、事業所からの廃棄物は家畜の餌に利用もされていますけれども、その他の廃棄物、生ごみの焼却をするのに毎年一・八兆円かかっているというお話も伺いました。
 飽食の時代の消費者としての、また、日本全体の食に対する社会的問題が潜んでいるかというふうに思いますが、御見解を伺わせていただきます。


○森国務大臣

 青木委員から常々御指摘をいただいております食品ロスの問題でございますけれども、日本では、まだ食べられるのに廃棄される食品が年間約五百から八百万トンと試算されており、大変もったいない状況が生じております。食品ロスの削減に向けて、事業者の努力だけでなく、御指摘のように、消費者の意識も変えていく必要があると思います。食品の選択にかかわる消費者の意識をまた変えていくということも大事だというふうに思っております。
 いずれにせよ、消費者問題への対応については、行政、消費者、事業者のそれぞれが適切な判断と行動を行うことが重要でございますので、この食品ロスの問題も含めて、消費者の意識の向上等もしっかりと消費者としても取り組んでまいりたいと思います。



○青木愛

 さまざまな問題の側面があろうかと思います。これから、気候変動、あるいは世界的に見ると人口増加の中で食料難も予想される中で、見直さざるを得ないときはいずれは来るだろうというふうに思います。容易ではない問題ではありますが、大変大事な課題でありますので、そうした視点も持っていく必要があるだろうなというふうに思っております。
 次に、食の安全の確保という視点から一つ伺わせていただきます。
 先月、東京湾の河口部にセシウム高濃度地点が
 明らかになったとの近畿大学の発表がございました。原発事故から一年半以上たった二〇一二年の十一月の段階で、東京湾河口の底にたまっている泥から、一キログラム当たり千ベクレルを超える放射性セシウムが検出された、高濃度の地点が存在していることが明らかになったとの報道が先月ございました。江戸川中流の五匹のウナギのうち四匹が国の基準値を超えたということでございます。
 消費者庁が行った消費者の風評被害に対する意識調査によれば、福島県を中心とした被災地等の産品の購入あるいは摂取をためらう意識が残っており、生産者等の風評被害に悩む声は今なお続いているということが明らかになっています。福島県は調査をしているにもかかわらず、風評被害が続いている状況が一方でございます。
 今般の近畿大学研究チームの調査は引き続き注視する必要があるところですが、健康被害はもちろん、風評被害を払拭するためにも、このような放射性物質の影響評価等の調査結果についても、報道ベースではなくて、国を挙げてリサーチし、その情報を隠さず、わかりやすく国民、消費者に公表していくことこそが重要であろうかと考えます。
 消費者の安心感に応える立場から、情報開示のあり方についてお伺いをさせていただきます。


○森国務大臣
 
 福島県を初めとする被災地産品に対する風評被害は、震災後二年九カ月近くを経た今もなお、大きな課題であると認識しております。
 消費者庁としてはさまざまな対策に取り組んでおりますが、例えば、食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーションを、本年度、既に六十四回開催をしております。これは十一月三十日現在でございます。特に、今年度は、地域に応じたきめ細やかな情報発信に重点を置いて取り組んでおります。
 また、消費者へわかりやすい情報を提供するため、冊子「食品と放射能Q&A」を作成いたしましたり、消費者庁ウエブサイトにおける食品、水道水の検査結果等の発信などを行っております。
 さらに、地方消費者行政活性化基金等を活用して、消費者と生産者との交流イベント等を開催する八都県への支援を行いました。
 今後とも、これらの施策を関係省庁や地方公共団体とも連携しながら推進をし、風評被害の払拭に向けて強力に取り組んでまいりたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございます。
 食の安全の確保、私は、先ほど冒頭に申し上げましたが、やはり、法整備もしっかりとして、食の安全の確保をしっかりとした上で、二点目としてこうした情報公開、この二点をしっかりと取り組むことが日本の食の信頼の回復につながる、また世界からの評価を高めていくことにつながると考えております。
 最後になりますが、各関係省庁の司令塔であります消費者担当大臣、森大臣が関係省庁に要請し、指示するくらいでなければならないと考えておりますが、これまで消費者庁が発足してもなおこうした偽装が繰り返されてきたということに反省をしながら、今後の積極的な取り組みに向けての決意をぜひ最後にお伺いしたいと思います。


○森国務大臣

 委員の御指摘を踏まえ、関係省庁連携会議でも私が司会をして、省庁間にしっかりと消費者の目線で取り組みを指示してまいりますので、さらに委員の御指摘を踏まえてしっかりと取り組んでまいることをお約束させていただきたいと思います。



○青木愛

 ありがとうございました。