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平成17年4月6日(水曜日)午後4時開議
─第162回通常国会 文部科学委員会─
本日の会議に付した案件:
『政府参考人出頭要求に関する件、文部科学行政の基本施策に関する件』
- 斉藤鉄夫 委員長
休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。青木愛さん。
- 青木 愛 委員
民主党の青木です。文部科学委員会での質問はきょうが初めてとなります。よろしくお願いします。
きょうは、これまで地元の方々、それからお会いしてきた方々のお声の中から、気になっていたことをこの際御質問させていただきたいと思います。非常に細かなことに及ぶかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
まず、花粉症がもたらす教育への影響について、お伺いしたいと思います。
花粉症は、今や国民病とも言える疾患となっております。厚生労働省の平成十五年保健福祉動向調査という資料に、年齢別アレルギー症状の有無というデータがあります。これによりますと、目鼻のアレルギー症状がある児童は、例えば十歳から十四歳では、大都市で三二・四%、郡部でも二六・六%となっています。これにはほかの原因によるものも含まれておりますけれども、ことしは、最大量の花粉が飛散しているそうなので、この数値はもっと高くなっているものと思われます。
地元の親御さんから、子供が花粉症のせいで勉強に身が入らない、花粉対策の薬もたくさんありますけれども、体のことを考えると、小さいうちから薬を飲み続けるのは控えたいというお母さんの声がございます。また、治療よりも、むしろ杉の木自体、根本に手を加えなければ何ら解決策にならないのではないかといった訴えもございます。
実際、文部科学省としては、この花粉症に対してどのような対策、施策をお持ちなのかをまずお伺いしたいと思います。この点につきましては、厚生労働省、また林野庁さんにもお伺いをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
- 清水 潔 政府参考人(文部科学省研究振興局長)
お答え申し上げます。
花粉症を含めた免疫アレルギー疾患の克服に向けて、疾患の仕組みの解明とか根本的な治療のための研究は非常に重要なことであるという認識を持っております。
文部科学省として、平成十三年度には、理化学研究所の免疫・アレルギー科学総合研究センターを設立いたしました。花粉症を含めたアレルギー疾患の原因の解明や、根本的な治療に関する研究を総合的に進めているところでございます。
特に花粉症についてでございますけれども、平成十七年度からは、基礎研究の成果を医療に応用するための研究チームを新規に設置し、新たなワクチンの開発を本格的に進めているところでございます。十八年、十九年は前臨床試験を、平成二十年にはフェーズ1、人での安全性、有効性確認のための研究開発を行うというふうな予定でございます。
また、このことに関しましては、科研費等の競争的資金により、大学等における花粉症などの免疫アレルギー分野の基礎研究を推進しております。平成十六年度で百三十六課題の研究が取り組まれているというふうな状況でございます。
以上申し上げましたように、今後とも、花粉症を含めた免疫アレルギー疾患の根本的な治療に向けて研究開発を積極的に進めていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
- 田中慶司 政府参考人(厚生労働省健康局長)
厚生労働省におきましては、花粉症対策として平成四年度から、病因、病態の解明とか、あるいは治療法の開発等の研究を進めているところでございまして、その研究成果に基づきまして適切な予防法、治療法の普及啓発に努めているところでございます。
先生御指摘のとおり、今春は全国的に観測史上第一位、あるいは第二位を争うという多さの花粉が飛散するというふうに予測されておりますので、花粉の飛散の本格化する前から、緊急対策として、正しい情報に基づきます花粉症の予防あるいは早期治療のさらなる徹底を進めてきているところでございます。
具体的には、国民の皆様方に対しまして、花粉症に関します正しい情報を提供するとともに、花粉にできるだけさらされないようにみずから予防し、必要があれば早目に医療機関を受診していただくように呼びかけているところでございます。また、医療従事者に対しましては、適切な治療がなされますように、診療ガイドラインの周知徹底等を行っております。
私ども、今後とも、各地方自治体、関係省庁や関係団体とも連携しつつ、根治的治療法の開発も含めまして、花粉症の総合対策の充実に努めてまいりたいと存じております。
- 梶谷辰哉 政府参考人(林野庁森林整備部長)
林野庁といたしましては、花粉の発生源の対策といたしまして二つのことを行ってきているところであります。
一つ目は、花粉の少ない杉、それから花粉のできない杉、この開発普及に取り組んできているところであります。花粉の少ない杉につきましては、平成八年度からその開発を推進してきているところでありますけれども、これまでに、花粉の量が一%以下である百十二品種が開発されているところであります。平成十一年度からはこれらの苗木を供給いたしまして、十五年度までに二十四万本の苗木を供給しているという状況にあります。今後五年間に約六十万本を超える苗木を供給されるのではないかというふうに見込んでいるところであります。それから、本年一月には独立行政法人林木育種センターが花粉ができない杉というものを開発したところでありまして、花粉の少ない杉の品種とあわせまして、これらの普及に努めてまいる考えであります。
それから、二つ目の取り組みでありますが、これは雄花の量の多い杉というものの抜き切りであります。これにつきましては、平成十四年度から、都市近郊におきまして雄花の量の多い杉を優先して抜き切りをするという実証事業に取り組んでいるところであります。こういう実証事業とあわせまして、雄花の多い杉林分に重点を置いた間伐も進めるなどいたしまして取り組みの強化を図っているところであります。
今後とも、関係省庁と十分連携を図りながら、花粉症対策の推進に努めてまいりたいというふうに考えているところであります。
- 青木委員
今林野庁さんの方からお話がありまして、いろいろ研究開発されているということで、その花粉の少ない杉、またできない杉、それから雄花の多い杉を伐採するというようなことを今お伺いしましたけれども、これは、実際花粉症にかかっている人たちが大分楽になったなと実感できるのは大体いつごろと予測されるのでしょうか。
- 梶谷政府参考人
いつまでかという御質問ですけれども、先ほど申し上げました花粉の少ない杉でありますけれども、これは今後におきましては六十万本ということでありますけれども、実は、杉の面積全体で四百五十万ヘクタールぐらいありまして、その本数を推定してみますと五十億本なんですね。これを見ますと、到底、なかなか、全く杉の花粉が出なくなるということはそう緊急にはできないと思いますけれども、特に都市近郊においてこういう対策を積極的に進めることによりまして、人口の多い、特に花粉症の激しい地域について、これを軽減するように全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えているところであります。
- 青木委員
私も花粉症に苦しんでいるもので、今のお話を伺いますと、大分まだまだ先の話なのかなという気もいたしておりますが、根本に何とか手を加えなければというところで、伐採ということで、もっと早目に対処というのはできないものなのかなと、ちょっと何度も申しわけないんですけれども、よろしくお願いします。
- 梶谷政府参考人
先ほど申し上げましたように、四百五十万ヘクタールの杉、これを一挙に伐採して違う樹種を植えるということになりますと、資金的にも人的にも大変なものだというふうに思っています。
そういう状況にありますので、我々といたしましては、いわゆる抜き切り、特に花粉の量の多いところを抜き切ってやるということによって花粉量全体を下げていく、こういう取り組みを推進しておりますので、これを積極的に続けることによって何とか軽減できるように努めてまいりたいというふうに思っております。
- 青木委員
済みません、重ねて申しわけありません。資金的に大体どのくらいかかるものなのですか。そういう試算は出していませんか。
- 梶谷政府参考人
特に計算したものはないんですが、一ヘクタールを切った後植林するということになりますと、一ヘクタール植えるだけで大体百万円ぐらいの経費がかかります。その後、下刈りあるいは保育をやっていきますと、さらにお金がかかります。こういう意味で、今は林業の事情も非常に悪いものですから、これを積極的にやるというのはなかなか難しいと思います。
ただ、抜き切りで軽減を図るということは可能だというふうに思っております。
- 青木委員
ありがとうございます。
それでは、文科省さんにもお伺いしたいんですけれども、教育問題として花粉症対策というのは、今までなかなかそれに特化した形で視野には入っていなかったようにお伺いしたんですけれども、この季節、新年度を迎えるスタートの時期でもありますし、子供たちにとりましては本当に大事な、期待と不安も抱えている時期で、花粉症で授業に身が入らないというのは決して小さな問題ではないと思うんです。
この学力低下を防ぐという教育問題の見地からも、文部科学省さんとして、学びの環境整備の一つとして、花粉症対策、真剣に取り組まれてもいい時期ではないかと思うんですが、御意見をいただきたいと思います。
- 銭谷眞美 政府参考人(文部科学省初等中等教育局長)
本当にこの時期、花粉症でお悩みの方、子供さんを含めて、多いわけでございます。
これから新学期が始まるわけでございますけれども、先ほど厚生労働省の方からも答弁がございましたけれども、学校としても、各家庭に対して花粉症についての正しい理解の促進を図りながら、子供たちの健康管理ということに十分留意をしていく必要があるというふうに思っております。また、子供たちが学習に集中できるように、指導上も、そういう花粉症の子供たちに配慮をしながら指導を行っていくということに心がけていきたいというふうに思っております。
- 青木委員
やはり大人ですら、夜眠れない、また集中力が落ちる、仕事に身が入らないといった状況にありまして、いずれこれは国力の低下にもつながりかねないという問題とも考えられるわけで、ぜひ各省庁の皆様、総力を挙げて、来年の今ごろには、去年よりは少しは楽になったねと言えるような状況にいち早くしていただけますように、よろしくお願いを申し上げます。ありがとうございました。
では、これで花粉症の質問は終わらせていただきますので、厚生労働省さんと林野庁さん、ありがとうございました。
続きまして、全然質問は変わるんですけれども、災害の共済給付制度の加入対象の範囲についてお伺いしたいと思います。
これはある保育園の園長先生から以前伺いまして、小さい子供たちは、遊んでいてよくけがもしますし、脱臼をすることも多く、けがは絶えないわけですけれども、独立行政法人の日本スポーツ振興センターさんが実施しています災害共済給付の制度がございますが、まず、この制度の概要をお伺いします。
この制度に対して、僻地保育所の子供たち、それから一時保育の子供たちはこの制度の対象外になっていると聞いておりまして、その辺の理由と今後の対応策をお聞かせいただきたいと思います。
- 素川富司 政府参考人(文部科学省スポーツ・青少年局長)
お答え申し上げます。
まず、独立行政法人日本スポーツ振興センターが行っております災害共済給付制度でございますけれども、これは、学校の管理下におきます児童生徒等の災害につきまして、その速やかな救済を図るということなどを目的としているものでございます。
そして、日本スポーツ振興センターの行う災害共済給付につきましては、学校等の管理下におきます児童生徒等の災害につきまして、医療費、障害見舞金または死亡見舞金の支給を行うものでございます。学校種別に応じまして保護者でありますとかその設置者から掛金の負担をいただいておるということでございまして、当センターが設置者と年間契約を結びまして、その事業を行っているということでございます。
対象施設についてのお話がございました。
まず、その対象とする施設についての一つの考え方でございますけれども、この対象とする施設におきましては児童生徒等の活動について適切な管理が行われているということが前提でございまして、災害共済給付制度におきます関係者の掛金の公平な負担という観点からも、一定の基準を満たす必要があるだろうというふうなことでございまして、日本スポーツ振興センター、この前身でございます日本学校安全会の当時からでございますけれども、法律上、保育所につきましては都道府県や市町村が設置しているものでございますとか、また、それ以外のものにつきましては都道府県知事が認可したものに限って対象としているところでございます。
それで、今お話のございました僻地保育所でございますけれども、これにつきましては、山間僻地等におきまして、設置基準といいますか、その最低基準に適合した保育所を設置、運営することが困難な場合に、公民館等を活用して常設の施設として保護を行うものであるというふうに承知しているところでございますけれども、この僻地保育所につきましては、市町村が設置主体とはなるものの、法律に基づいて知事の認可を受けた保育所とは異なっているというふうなことで、この対象にするということは困難であると考えているところでございます。
さらに、一時保育につきましては、一時保育の施設一般は認可保育所を使うというふうにも聞いているわけでございますけれども、保育のあり方が断続的であるというようなことで通常の保育とは異なるということでございまして、年度契約によりまして年間を通じて災害給付の対象とし、またその共済掛金も年額を支払う、こういった災害共済給付の対象とするということはなかなか難しいのではないかということで、現在そのような対応になっているところでございます。
- 青木委員
認可、無認可で分かれている、大ざっぱに言うとそういうことなんですかね。
この制度は、保育所にとりまして、たしか掛金が三百五十円と大変安くて、大抵は利用しているのではないかと思うんですけれども、この対象外の子供に対しての現状は、今、別途、親御さんが掛金の高いほかの民間の保険に加入してという、そういう手続をしなければならないわけなんですが、この僻地保育所というのは、無認可というわけではないですよね。ですので、その辺もできれば配慮していただいて、同じ子供でありますので、今後加入いただけるように御検討はいただけないでしょうか。
- 素川政府参考人
保育所を対象としている根拠規定でございますけれども、現在は、独立行政法人日本スポーツ振興センター法の附則の規定がございますが、これは、もともと、先ほど申しました日本学校安全会法の附則の規定から引き継いできているものでございますけれども、この規定によりますと、児童福祉法三十九条に規定する保育所をいうということで、保育所について一定の条件といいますか一定の規定の制約というものが書いてございます。
これは、先ほど申しましたように、やはり施設等の最低基準といいますか、そういうことが確保されている、施設設備の面においての確保されている都道府県知事が認可したものについて、この学校共済給付の対象に保育所も入れるということの整理が行われたというふうに承知しておりますので、具体的に保育に関係する施設がどのように整理されていくかということは厚生労働省の問題であろうかと思います。
いずれにいたしましても、学校等の設置者や保護者の掛金によって運営されている災害共済給付制度の趣旨にかんがみますと、一定水準の確保される範囲内ということで、その対象施設というものが一定の限定を設けられるということにつきましても、やむを得ないのではないかというふうに考えているところでございます。
- 青木委員
子育て支援対策ということで、できれば、今後、また御検討の中に加えていただきたいとお願いを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
学童保育、それから放課後の子供の居場所の確保についてお伺いをいたします。
これは地元の小学校一年生の子供を持つお母さんからいただいた声なんです。放課後学童クラブに通っているそうなんですが、この学童クラブは、月一万三千円の父母会の自主運営で行われているそうで、最近、百二十万円のエアコンを父母会の負担でまた入れたそうなんですが、定員六十名で、人気が高いために四年生以上はなかなか入れないということで、都会の場合だと児童館などがあるんですけれども、四年生以降、放課後どのように過ごさせるか今から心配ですといったような声がございました。
また、東京のある小学校の例ですと、放課後、校庭では、基本的に大人の付き添いがないと校庭で自由に遊ばせられないということになっているそうで、PTAの有志の方ですとか、教育委員会の方が雇って人を派遣したりして、昔の遊びをそこで子供たちに教えたりなんかして放課後を過ごしているそうなんです。
それぞれにそれぞれの問題を抱えているんですけれども、以前でしたら、人を雇って遊びを子供に教えるというよりも、子供たちの中で遊びが生まれましたし、また、大人がいる中で、時間に制限の加えられた中でしか校庭で遊べないというすごく不自然と思われる状況があるわけなんです。今とにかく一人親がふえまして、また、共働きの家庭においては、放課後の子供の居場所の確保というのは本当に切実な問題であるわけなんです。
子育て支援対策、それから少子化対策という点からも、国の政策として積極的に取り組むべき問題と考えるんですが、放課後の子供の居場所の確保について、中山大臣の所見をお伺いしたいと思います。
- 中山成彬 国務大臣(文部科学大臣)
地元の声をお届けいただきまして、ありがとうございました。
学校というのは、子供たちの教育の場でありますけれども、同時に、地域住民のさまざまな活動の拠点でもあるわけでございまして、その施設を積極的に開放しようということでやっているわけでございます。
今、数字がありますが、平成十四年度で小学校が九六・九%、中学校が九三・四%開放しているということで、もうかなりのところが開放している、こう思っておるわけでございますが、今話がありましたように、開放しているだけでは、昔と違って子供たちだけで遊ぶわけにはいかないという、不自由というか不自然な形になっているのが残念でございます。
文部科学省としましては、放課後とか休日に子供たちが安心して活動できるようにということで、今お話がありましたように、平成十六年度から子供の居場所づくりを推進するために、地域子ども教室推進事業に取り組んでいるところでございまして、平成十六年度におきましては、全国で五千四百カ所で実施されております。そのうちの約半数が小中学校を会場としているところでございます。
また、平成十七年度は、さらにそれを推進するということで、全国で八千カ所において実施するということにしておるわけでございまして、今後ともこれにつきましては地域の、地元の方々の御協力を得なければいけませんが、子供の安全確保ということにも配慮しながら、開かれた学校づくりの推進に努めてまいりたいと考えております。
- 青木委員
ありがとうございます。ぜひ、前向きな対応をこれからもよろしくお願いいたします。
続きまして、次の質問に移らせていただきます。
教員の採用についてなんですが、地元の現場の先生方が望むのは、とにかく教員の数が足りないということです。平成十六年度における教員採用の状況をまずお伺いしたいと思います。
- 銭谷政府参考人
文部科学省の調査によりますと、平成十六年度の教員の採用者総数は、小中高等学校等合わせまして、二万三百十四人でございます。これは、前年度が一万八千八百一人でございましたので、増加をいたしております。
内訳的には、小学校が一万四百八十三人、中学校が四千五百七十二人、高等学校が二千九百八十五人、盲・聾・養護学校が千五百二十五人、養護教諭が七百四十九人でございます。これは、高等学校を除きまして、前年より増加をいたしております。状況はそういうことでございます。
- 青木委員
「図表でみる教育 OECDインディケータ」というデータを見ましたところ、日本は、初等教育において、その調査国中教員の数が最低だというデータもありまして、きめ細やかな教育を確保するためにも、教員の数というのは大前提だと思っております。ただ、一方で、その数をふやせばいいという問題じゃないという側面もあるかとも思うんですが、今教員の質も問われているところでございます。
今後、教員養成についてどのようにお考えなのか、また、社会人教職員の採用の制度が始まってまたしばらくたちますけれども、その成果の方はどのように把握されているか、お願いいたします。
- 中山国務大臣
現場を今視察しておりますけれども、現場は、回れば回るほど、学校教育の成否というのは、教員の資質、能力、そしてその熱意に負うところが多いなということを痛切に感じているわけでございます。
御指摘ありましたように、すぐれた教員の養成確保というのは極めて重要な政策課題であると考えております。特に、小中学校というのは、児童生徒がその人生をいかに幸せに生きられるか、そのための基礎を培う時期でございまして、教員の果たす役割というのは極めて重要である、このように考えております。
そういう意味で、文部科学省としましては、これまでも、大学の教員養成カリキュラムの改善を図るということと、それから、採用につきましては、面接とかあるいは実技試験の実施など、人物評価を重視するという方向で改善を進めるように、これは各都道府県教育委員会を指導しているところでございます。さらに、法定研修であります初任者研修とかあるいは十年経験者研修を初めといたしまして、その経験等に応じた研修や社会体験研修の充実等について、各教育委員会の取り組みを促しているところでございます。
現在、大多数の教員というのは、使命感、そして指導力を持って子供の指導に当たっていると思いますけれども、一部の教員による不祥事とか、あるいは指導力不足の教員が増加しているというようなことを背景といたしまして、教員全体に対する社会の目というのは厳しくなっているなということを感じるわけでございまして、今後、信頼される学校づくりを進めていくためには、教員が尊敬され、そして信頼を得られる、そういう存在であることが不可欠であろう、こう思っているわけでございます。
私も、昨年の十一月に、「甦れ、日本!」におきまして、教員の資質の向上ということを掲げたわけでございまして、今御指摘ありましたけれども、社会人とかそういった方々の活用も含めまして、現在、中央教育審議会におきまして、教員養成及び教員免許制度の改革、とりわけ教員養成の専門職大学院のあり方や教員免許更新制の導入等について、精力的に御検討いただいているところでございまして、今年中に答申をいただいた上で、速やかに所要の制度改正を行って、教員が尊敬され、高い評価を受ける、そういう存在になるように努めてまいりたいと考えております。
- 青木委員
ありがとうございます。
このように、教員の数、質について考えたときに今懸念されるのは、団塊の世代の教員の先生方がこれから定年を迎えるということだと思うんです。大量に退職して教員数が減ります。一気にベテランの先生方が教育の現場からいなくなってしまうという事態が予測されるんです。世間では、とかく世代交代が、ただ世代交代することがいいことのようにまかり通っているような感があるかと私は感じているんですけれども、やはり経験の深い年長者の先生方に、若い先生方の指導やまた現場のサポートをしていただくことというのは必要なんじゃないかなと思っておるんです。
これから退職されるベテランの教員の方々の再雇用についてはどのようにお考えでしょうか。
- 銭谷政府参考人
ただいま退職した先生の再雇用についてのお尋ねがございました。
先生お話ございましたように、今後退職する教員の数が増加するということが見込まれております。私どもの推計では、平成十五年度末の退職者数が公立の小中学校で一万七千人でございましたけれども、二十年度末には約二万一千人が見込まれております。これに伴いまして、採用者数につきましても、先ほど申し上げましたように、平成十六年度は約一万五千人でございましたけれども、平成二十一年度には一万八千人程度見込まれるわけでございます。
それで、ここしばらくは教員採用者数は増加ということがある中で、量及び質の両面からすぐれた教員を確保していくということが重要な課題になってくると思います。その意味で、先生お話がございましたように、すぐれた教育実践を行ってきたベテランの先生方を退職後も活用していくということは、一定の意義があるというふうに考えております。
ただ、学校ごとに見た場合には、多様な教育活動を展開するためには、年齢や職務上の経験等の面でバランスのとれた教員の年齢構成であることがやはり望ましいわけでございますので、教員の任命権者でございます各都道府県の教育委員会において、各学校の教員の年齢構成が全体としてバランスのとれたものとなるよう配慮をいたしまして、新任の教員の採用それから退職者の再雇用について工夫をしていく必要があるというふうに考えております。
- 青木委員
ありがとうございます。ぜひその取り組みをお願いしたいと思うんですが、定年後の雇用の確保という視点からもぜひ必要な施策ではないかなと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。
それでは、最後の質問になりますが、ぜひ中山大臣にお伺いしたいと思います。
私が芸大で音楽教育科というところに在籍していましたときにまさにゆとり教育が導入されまして、その研究室には、大学の先生方と一緒に、現場の音楽科の先生方ですけれども研修に来ておられまして、みんなでゆとり教育に象徴される総合的学習にこれからどうやって取り組んでいったらいいのかということで四苦八苦していたのが記憶にあるんです。
音楽科というとちょっと特殊な科目になるかもしれませんが、音楽科の場合は、例えば音楽と郷土研究を結びつけて伝統的な和楽器を取り入れてみたり、それから国語と音楽を合わせて、朗読と音楽、楽器を奏でたりとかしてちょっとした劇をつくってみたりとか、いろいろな取り組みをして、それはそれで意義があったかと思うんです。
ただ、限られた授業数の中で、とかく軽視されがちな音楽科の基礎、基本、基本的な発声ですとかドレミの習得ですとか、そういう基礎、基本を教える時間がなくなってしまうのではないか、音楽科自体がなくなってしまうのではないかという不安を現場の先生方も皆さん抱いていました。
先ほども少し触れましたけれども、今、放課後お金を払って遊びを教えていただいている。昔は、子供たちの中に餓鬼大将みたいな子がいて、リーダーの子がいて、暗黙のルールがあったり、上の子から下の子へ自然に遊びが伝えられたり、また遊びを通して道徳やら文化やら、そういうものも自然に受け継がれていったと思うんです。
今子供たちは、一緒に集まっても共通の遊びをするのではなくて、それぞれが個々にそれぞれの遊びをしているという現象がありまして、子供同士のコミュニケーションも世代間のコミュニケーションも本当に希薄になっていまして、そういった点をはぐくむ必要性が強く感じられる中で、音楽という、共通の歌を持つ、一緒に歌うというこの連帯感、一体感というのは、ほかにはない貴重な体験ができる分野だと思っております。また、例えば童謡なども、おじいちゃん、おばあちゃんから子供に伝えられる本当に大切なメッセージがそこに含まれていると思うんです。
中山大臣にお伺いしたいと思いますが、ゆとり教育、改めまして今後の方針についてお伺いしたいことと、それから、音楽教育、芸術教育の果たす役割について御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
- 中山国務大臣
青木委員は、保育士として保育園で活躍されておられたというふうにお見受けしておりまして、そういう経験から音楽の大切さを今訴えられたわけでございますが、私自身も音楽というのは非常に大事だと。子供の心の成長といいますか、豊かな心、感性を磨くためにも音楽というのは非常に大事だし、また、小さいころ音楽に親しむということは一生にわたって、やはり音楽とともに歩む人生という意味でも非常に大事なことだろうと私は考えております。
特に、私、大臣になりましてちょっと見てみたんですけれども、音楽の教科書に日本古来の童謡とか童歌が少し少なくなっているなと。ちょっと残念で、もう少しそういったことをふやすことが、昔ながらの情緒とか、歌うだけでも何かそういった情景が浮かび上がってくるような、そういった歌というのをもっともっと入れてほしいな、そんなことも思うわけでございます。
実は私、スクールミーティングで中央区の阪本小学校に行きましたときに、まさに総合的学習の時間に日本の伝統的なことだとかいろいろなものを子供たちに教えながら音楽をやっていらっしゃる、要するに、音楽の時間が減ったので何とか総合的な学習の時間を使わせてほしいという大変熱心な先生がいらっしゃって、そういうことをやっておられて、ああ、すばらしい取り組みをしているな、こう思ったわけでございます。
こういった形で音楽の少なくなったのを補っているということもありますので、私は、ぜひ今後とも、音楽教育を初めとして、心豊かな人間性とかあるいは感性をはぐくむ教育というのは非常に大事だ、こう思っておりまして、そういう方向で、音楽の時間がなくなるようなことは絶対ないように、中央教育審議会におきましても議論していただきたいと思っております。
- 青木委員
ありがとうございました。これで質問を終わります。
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