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立憲民主党 参議院議員 青木愛 Official Website

議会議事録JOURNAL

平成29年 第193回国会(常会)国会報告

総括
150日間の質疑を通して明らかになったこと。
第193回通常国会は、2017年1月20日に召集され、6月18日に閉会しました。150日間の質疑を通して明らかになったことが、3点あります。

第一は、森友学園や加計学園問題に見られるように、安倍首相による権力の私物化が誰の目にも明らかになったことです。
園児に安倍首相を応援させる森友学園に対しては国有地を8億円値引きのただ同然で払い下げ、また、長年の腹心の友が理事長を務める加計学園に対しては、獣医学部新設を加計学園だけが応募できるように後に文書を修正し、「総理のご意向」として文部科学省に圧力を加えました。今治市は37億円相当の土地を無償譲渡、最大で96億円の建設費用を税金から拠出することになります。安倍首相或いは安倍夫人のお友達に対しては、国有財産や税金が無尽蔵に投入されるのです。


第二は、安倍内閣の隠蔽体質です。疑念を抱く事柄について野党は資料提出と説明を求めましたが、政府は、資料を廃棄した、メモを取っていない、怪文書だ、と言ってまったく説明しません。国民の疑念が高まると、抗しきれず、防衛省では、南スーダンでの陸上自衛隊の日報が、文部科学省では内閣府の指示を記したメモが出て来ました。しかし、その内容についての説明は拒否したままです。
国民の内心の自由を束縛する共謀罪法案について、衆議院法務委員会では突然審議を打ち切り強行採決、参議院では委員会採決さえ飛ばして本会議で中間報告を行い強引に採決・成立させました。国民に十分な説明をせず、自分たちに不都合な情報を隠蔽する体質が露わになりました。


第三は、安倍内閣が目指す日本国の姿が鮮明になって来たことです。2012年12月の衆議院総選挙で安倍自民党政権が誕生し、2013年には特定秘密保護法を、2015年には憲法違反とされて来た集団的自衛権を解釈変更で可能にし安保関連法を、そして2017年、今国会で共謀罪法を、いずれも強行採決しました。
安保関連法によって、日本は外国で戦争が出来る国になりました。特定秘密保護法によって、安全保障に関する情報は国民に一切公開せず、漏らした者は厳罰に処せられます。現在、特定秘密に指定された行政文書は32万6183件もあります。
共謀罪法によって、国民のプライベートは常に監視され、権力に反対する者は相談しただけで逮捕される恐ろしい社会に向かいます。この3法律は、戦前の軍国主義、特高警察に脅えた自由の無い社会を彷彿させます。これが、安倍内閣が目指す日本国の姿です。


政治は一体誰のためにあるのでしょうか。民主主義国家では、政治家は国民から負託をうけた権力を国民のために行使し、内容と過程を国民に情報公開しなければなりません。権力を私物化し、自分に不都合な情報は公開せず、反対者には圧力を加える、これは独裁国家のやることです。
このような危険極まりない安倍独裁政治。しかし、如何に巨大与党といえども、健全な国民世論の高まりを無視することは出来ません。
政治は国民のためにあり、国民が政治を動かすのです。私、青木愛はその先頭に立ちます。

委員会での質疑(要旨)


国土交通委員会では9本の法案と2本の承認案件を審議した他、予算委嘱審査で1回、一般質疑で5回質問しました。法案のうち、通訳案内士法及び旅行業法の一部改正法案には反対討論、住宅宿泊事業法案(民泊法)には修正案を提出しました。決算委員会で1回質疑、政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会(倫選特)で3本の法案を審議、行政監視委員会、参議院改革協議会に出席しました。計21回質疑に立ちました。
(動画および議事録をご覧いただくには日付をクリックしてください)


3月22日4月6日5月30日6月1日(国土交通委員会)
千葉県のJR内房線、道路、港湾
鉄道は、地域の通勤・通学や買い物など住民の日常生活と地域経済を支え、また異なる地域間で人とモノの移動を担うことにより、日本全体に活力を生んでいます。今年3月、JRダイヤ改正により内房線が大幅に削減されたことを国交大臣に質しました。大臣は、「鉄道は…各地域における基幹的な交通機関」であり、「必要な公共交通サービスを提供していくことが地方創生の観点からも重要」と答弁されました。
また、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)やアクアラインの開通により、房総地域の半島性が緩和され、首都圏との物流効率の向上、房総半島の経済産業発展、両岸地域の相互交流に大きな成果を上げており、南北に走る館山道も重要な役割を果たしています。この認識に立ち、
千葉県内の道路整備の進捗状況と今後の見通し及びアクアライン通行料金800円の継続について質問しました。
港湾整備に関して、木更津港や館山港のクルーズ船受け入れの環境整備、LNGバンカリング拠点としての袖ケ浦と富津の活用について質問したところ、
「木更津港は16万トン級のクルーズ船の寄港に対応するため、平成30年度中の完成を目指し整備を進めている」「わが国がアジアで先駆けてLNGバンカリング拠点を形成することで国際競争力の強化を図って参りたい…袖ケ浦LNG基地を利用」するとの答弁を得ました。


4月18日(国土交通委員会)
建設職人の安全確保
建設業は、国民生活と産業活動の基礎を築く要の産業であるのみならず、集中豪雨や大地震などの災害に遭遇したときは、いち早く被災現場に駆けつけ、昼夜を問わず働き、復旧作業をして下さっています。しかし、労働環境は厳しく、建設職人の安全と健康の確保は喫緊の課題となっています。
昨年の臨時国会で、全会派一致で成立した「建設工事従事者の安全及び健康の確保の推進に関する法」(基本法)に基づき、国土交通省と厚生労働省が基本計画を策定することになっています。足場の設置で「手すり先行工法」を採用している国直轄工事現場では死亡者ゼロが続いており、その安全性が確認されています。委員会質疑で、基本計画に「手すり先行工法」を書き込むよう要請し、前向きな答弁を引き出し、基本計画には「速やかに実効性のある対策を講ずる」との表現で盛り込まれることになりました。


5月11日(国土交通委員会)
水防法の改正
近年異常気象のため集中豪雨等に伴う水害が頻発しており、多数の死者や甚大な経済損失が発生しています。その対策として提案されたのが水防法の一部改正法案です。
国直轄河川以外にも大規模氾濫減災協議会を設立し、また洪水や土砂崩れなどの災害時に高齢者や障害者や乳幼児などが安全に避難できるよう各種要配慮者利用施設に避難計画と避難訓練を義務付けるものです。国は自治体や各施設に、実情に沿ったきめ細やかな指導を行うよう求めました。
5月13日に荒川北区側河川敷で総合水防訓練が、北区182町会、自治会長、防災担当者、消防署、消防団、下水道局、地下鉄事業者、河川事務所、ボランティア団体などが参加し大規模に行われました。北区が作成したハザードマップによれば、荒川が決壊すると北区の東側のほぼ全域が浸水し、深さは2メートルから5メートルに達します。日頃からの訓練がとても大切です。


4月20日5月16日(国土交通委員会)
地球温暖化対策、高速鉄道等のインフラシステムの海外展開
今年の1月、参議院の重要事項調査団としてマレーシアとシンガポールを訪問しました。現地では、マレーシア・シンガポール間の高速鉄道プロジェクトに高い関心が寄せられており、政府要人、日系企業関係者、大使館らと意見交換しました。それを踏まえ、インフラ輸出の重要性と、日本技術の優位性、人材育成・技術移転、現地企業との協働について、政府の見解を聞き質しました。
道路や鉄道や港湾のインフラ整備、異常気象がもたらす自然災害の減災、これらはどの国も必要とする課題であり、しかも日本が得意とする分野であり、国交大臣の所管下にあります。日本は、技術力と現地人材育成を積極的に展開し、相手国の国づくり人づくりに貢献することの意義は大きいと考えます。
その際、自国利益追求を第一とするのではなく、相手国に必要とされる、相手国に喜んで頂く、このような視点が重要だと考えます。国交大臣として世界に対する日本の貢献についての考え或いは意気込みを尋ねました。


5月25日(国土交通委員会)
通訳案内士法及び旅行業法 反対討論
通訳案内士の仕事は、訪日外国人観光客に対して、日本を正しく紹介し、旅行者に安全・安心・満足の日程を提供する極めて重要な仕事です。法律改正の背景として、訪日外国人が急増している中、通訳案内士の実情は都市部に偏在し、資格保有言語は英語に偏っているなどの問題があり、通訳ガイドの量的不足とガイドのニーズの多様化に対応できていないという課題が指摘されています。
しかし、今回の改正で、地域通訳案内士の創設により都市部偏在の歪みを一部解消できるとしても、通訳案内士の業務独占を廃止することにより、悪質なガイドが増え、これまで質の維持・向上に努めてきた通訳案内士制度が崩壊することを懸念します。
通訳ガイドが不足するのなら、先ずは資格を有しながら就業していない、全体の3/4も存在する通訳案内士の活用を考えるべきです。



6月6日
(国土交通委員会)
住宅宿泊事業法案
民泊新法は、民泊を許容する「住宅」の定義を、「人の生活の本拠として使用される家屋、…入居者の募集が行われている家屋」(第2条)と定めています。
しかし、地域によっては、住宅用として所有したり賃貸するよりは、民泊営業の方が利益が高いということで、経済的インセンティブが働き、「住宅」の概念を逸脱して投資物件として活用するという動きが見られます。
また、1泊2日を1日おきに民泊として使用すると、周辺の住民から見れば、年間360日、見知らぬ宿泊者がその住宅を出入りすることになり、「住宅」の概念を超えたものとなります。
民泊新法は、違法民泊を駆逐し健全な宿泊サービスの拡大につながるという面では評価しますが、居住専用地域に宿泊施設が突如出現する可能性を含んでいます。営業日数を半分の90日に制限すれば、上記の懸念事項を解消する方向に向かいます
180日問題及び地域に愛される健全な民泊サービスの展開について、大臣の見解を質しました。


5月8日(決算委員会)
公立学校の耐震化と基礎研究の重要性
学校は、未来の日本を支える生徒の安全と安心を守るため、また、地震や洪水などの災害時の公的な避難所としての役割が期待されているため、その耐震の確保が重要です。しかし、耐震化率は自治体間で差があります。その原因と今後の対応について質問しました。
 また、人への投資(教育)及び先端科学技術研究への投資は、新しい価値を生み、世界の競争を勝ち抜く日本の推進力になります。産業や医療などの応用研究が重視され基礎研究が軽視されることがないよう、文部科学省の基礎研究に対する認識と教育予算の充実について質問しました。

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